目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけた社会人になるための、総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です♪
本日は、福岡市南区にある、
福岡女学院中学・高等学校の、塾対象学校説明会のレポートです♪
福岡に2校にしかない「音楽科」のある学校としても有名ですね。
PayPayドーム約10個分の広大な敷地に、幼稚園、中学・高校、大学があり、そして古賀市には看護大学もあります。
毎年Googleマップのルート案内で裏側に回っちゃって、慌てて表入口目指して大回りするんですが、とにかく広くて、公園の周りを回ってるみたいな感覚になります(笑)
137年の歴史があるミッションスクールで、
日本の女子制服としての、セーラー服発祥の学校でもあります。
そして、緑が多いです。
中学・高校の建物自体は古いんですが、古ぼけた感じは全く感じないですし、どこも明るいです。
かなり昔の重厚な木製の長椅子がところどころにあったりして、むしろ、古き良き時代と近代的なものが上手にミックスされているように感じます。
今回の説明会では、学校見学と食堂体験ができました!
ミッションスクールらしい光景、力を入れている芸術教育の現場など、たくさん見ることができました。
それにしても、この日は9月にもかかわらず外は35度くらいもあって異常に暑かったです。
少しウロウロしただけのような感じだったのに、この広い敷地内で、食堂からの帰り、駐車場まで迷ったりして、熱中症になりそうな感じでした(笑)
毎年参加している学校ですので、学校全体の特徴などは昨年のレポートなどを参考にしていただくことにして、
今回は、この説明会で特に得た情報などを中心に綴っていきます。
昨年、一昨年のレポートで遡るのはこちらからどうぞ↓
https://sannomiya-s.com/uncategorized/schoolreport-fukuokajyogakuin.html
目次
今年の説明会での特記事項
やり手の校長の元での教育環境
福翔高校から、昨年こちらに来られた重枝校長は、民間経験もあり、発信力もありで、かなりやり手の方です。
「福翔」と聞いて、ピンと来られる方も多いかと思います。
相変わらず、初めの校長挨拶はとても面白くて、熱量もすごかったです。
校長室は常にオープンにされているらしく、この日説明会の会場に早々に着いていた塾の先生方を見つけて、校長室に招いておしゃべりされていたようですよ(笑)
「自分達が楽しまないと生徒がワクワクしない!」とおっしゃってましたが、実際に、重枝校長の明るさのエネルギーが超全開でした。
トップがどういう人かによって、その組織は大きく変わりますよね。
私は高校時代に、校長の、学校全体への影響を嫌というほど思い知っています(笑)いやほんとに、ここんとこ大事ですから!
こういう明るさを放っている方が学校を率いているのはとてもいいな〜、学校全体が明るくなるよね〜、と、個人的に思います。
ホームページでは、「校長研修だより」で先生方と共有しているものを、あえて掲載されているそうです。
私は個人的には、年度初めの学校長メッセージの「常に機嫌よく」が、超〜共感でした。
「ぜひ、皆さんにも見ていただきたい!」とのことでしたので、こちらにも、パンフレットのQRコードを載せておきます♪
気になる方は見てみてください。教育に対しての考え方や、人柄が見えてくるかと思います。
で、この校長先生のもとで、
・遅れがちだったICT教育環境を昨年1年かけて整えた。今では全職員が活用できるようになった
・青山学院大学と教育提携を結ぼうとしている
・中高校舎の建て替え始まる
だそうです。
現在の校舎は60年経っていて(そんな古さは感じさせませんが)、「昔からの趣は残しつつ中身は最新にする」だそうです。
高校の校舎は2024年2月の竣工を目指されているようで、現在の中学生は新しい校舎に入れるのではないか?とのことです。
1クラス20人台、少人数のクラス編成
定員割れ云々は置いといて、1クラス30人弱にすることを目指しているそうで、少人数クラスで一人一人を大切にしていくことに重きを置かれています。
学校見学で実際に授業風景を見ましたが、通常の学校と比べて、どのクラスも、教室の大きさに対して生徒の人数がとても少なく感じます。机と机の間、教室の後ろ側、めっちゃ空いてます!
一つの教室では、8人の生徒の数学の授業(おそらく選択教科分けされてるクラス)で、先生が生徒の机で直接本人たちに教えている風景もありました。完全個別指導・・(笑)
教室の中に入る人数によって、空間の印象はガラリと違います。いろんな学校の授業風景を見学させてもらうと、本当にその違いを感じます。そして、空いてる窓からどんな外の景色が見えているかも影響しますね。
とある学校では、遠〜くの山が見えて開放的だったり。
ですから、学校選びの際には、この辺りもよ〜く知ることをお勧めしますよ。
学校によっては、机と机の間がほんの数十センチ、後ろまで生徒の机がビッチリで、生徒は教室の中の移動は横歩き・・的なところもあります。
空間の密度に影響されない、なんともない、という子もいれば、
密度高いと窮屈で苦しく感じる子もいますから。
余るほどの豊富な推薦枠
私立のこういった学校の特権!と言ってもいいかと思いますが、生徒数に対して指定校推薦枠がとにかく豊富です。3/4は指定校推薦で進学するそうです。それでも推薦枠は余ってるそうです。
こう言うと、「そんなにあり得なくないですか?」と疑われる方がいらっしゃいます。または、「たいした大学はないんじゃない?」との疑いを持つ方も出てきます(笑)
が、私が以前よく見ていた別の私立の中高一貫の女子校も、そうでした。有名大学の指定校推薦もたくさんありますし、一般入試だったら無理だよね〜という子が、青学の指定校推薦もらって進学したり、そんなんはザラです。
歴史と実績を積んでいる私立の学校では、あるあるの話です。
こちらの学校は、特に、
・教員、今話題のカウンセラー、になりたい人のための大学の指定校推薦枠
・看護師などの医療職に就きたい人のための大学の指定校推薦枠(高2から看護・医療コースがあって、古賀市には福岡女学院看護大学もありますしね)
・音大・芸大を目指す人のための指定校推薦枠(福岡で2校のみの音楽科がありますから)桐朋学園大学、国立音楽大学、東京音楽大学、武蔵野音楽大学など
が、特に強いので、そのあたりを自分の将来に描いている子には、学校選択の上位校に入ってくると思います。
私立といっても、学校によって当然持っている指定校には偏りがありますよね。
例えば、福大・西南など、九州の方に人気の私立大学の指定校推薦枠をたくさん持っている学校もあれば、
こちらの学校のように、全く違った大学の指定校推薦枠をたくさん持っているところもあります。
その学校が、どんな大学の指定校推薦枠を持っているのかは要チェックです。
生徒達の仲の良さ、外部生の溶け込みやすさ
今年も配布されました。生徒達の生の声による、学校紹介!
もう何回目かな〜?
毎年楽しく拝見させていただいてます♪
毎回書いている生徒は違う(その年の中1と高1)のに、何年も見ていると、この学校に来た生徒さん達の声に、年を跨いでの共通点も見えてきます。
このあたりが、いわゆる学校のカラーってことになりますよね。
いつもたくさん目にするのが
〈女学院の自慢は?〉
・先生達が優しい。楽しい。質がいい。
・生徒が個性豊かで伸び伸びしている
・バイオリンが弾ける
・パイプオルガンのある講堂
・毎日の礼拝
〈後輩の皆さんへのアドバイス〉
・女子校というので最初心配だったけど、みんな優しくてすぐに友達になれたよ。
・高校からの外部生で不安だったけど、内部生がフレンドリーに話しかけてくれてすぐに友達になれたよ。
・女学院はとても楽しいよ。心配しなくて大丈夫だよ。
・受験勉強大変だけどそれを乗り越えたら楽しいことが待ってるから頑張って(中学受験生へ)
必ず目にするのがこういったことです。
中高一貫校に高校受験から入る子は、内部生に馴染めるか?ついていけるか?など、特にたくさんの不安を抱えての入学になりますが、
こちらの学校ではその心配はないようです。
また、「第一志望の高校に落ちてここに来たけど、女学院でよかったなって思います」っていう声もありました。
生徒達同士がとても仲の良い様子が見れます。
内部生が入ったばかりの内部生に自ら率先して優しく話しかけてくるというのは、この学校の、キリスト教主義の他者への愛と奉仕の精神の教育を受けていることも影響しているんじゃないかな〜?なんて思います。
この学校の校風の参考にしてください。
スクールバス
今年の学校見学から
芸術教育とその学びの質の高さ
こちらの学校の教育の特徴の一つが、芸術教育です。
美術教育では
中1で、手・目・空を表現
中2で土・水を表現
中3で水の絵本
音楽教育では
合唱やバイオリンなどの楽器演奏
など、授業でやります。
今年は学内をうろうろする中で、生徒達によるたくさんの作品を、あちこちで見ることができました。
驚いたのは、女学院祭のポスター。高校生が作るレベルには思えないものでした!芸術教育の蓄積の結果だろうと思います。
そして今年は、この学校特有の、ずっと気になっていたバイオリンの授業を、リアルに見学できました!
音楽受験でバイオリンで入学してる特殊な子を除いて、ほとんどの子が、この学校で初めてバイオリンに触るという状態だと思うんですが、
実際に弾いてる時も、それぞれ拙いながらも、一生懸命にトライしている姿が印象的でした。
上手くはないのが、私は逆に好印象でしたよ。みんなが上手だったら、この学校を選ぼうかしてる子達、気後れしちゃいます。
上手に弾けるわけじゃないのに、後ろにズラーっと、塾のお堅い先生達が入ってきてあんな真剣な表情で眺められるなんて、みんな緊張するよね〜、嫌よね〜、教えてる先生もやりにくいよね〜、ごめんね〜〜、なんてふうにも思いました(笑)
パイプオルガン演奏での礼拝の讃美歌で始まる毎日の学校生活
パイプオルガンのある講堂。
これも、こちらの学校ならではの大きな特色の一つですね。
とにかくここの講堂の空気感がとても良いです。神聖な良い気が流れています。
こういう場所で、礼拝で讃美歌を歌う習慣を持つと、朝から精神が整ってシャキッと、かつ穏やかな1日が始められそうです。瞑想に似た効果もあるんじゃないでしょうか?
生徒さん達、卒業する頃には何百曲も歌えるようになるそうです。
そういえば・・
筑紫女学院の高校3年の生徒が、「いろんなお経を空で唄えられるよ」って言ってて、
私「え?じゃあ変な話し、お葬式の時のお坊さんが唱えてるのとかもわかるの?」
生徒「うん全部わかる」って言ってて、びっくりしたのを思い出しました〜。
中高生くらいの頃の脳の吸収率って半端ないですが、それくらい朝飯前ってことなんでしょうかね〜〜(笑)
食堂の食事のおいしさ
昨年はできなかった食堂体験、今年はできました♪
こちら、一昨年食べさせてもらって、とっても美味しかったので、今年も楽しみにしていました。
今年も魚をチョイス。
思春期の食事は何より大事です。500円しない価格で、メニュー豊富。日替わり定食は肉か魚か選べて、こんなバランスの良い食事ができるのは、ありがたいですよね〜。
進路実績
毎年ほとんどの生徒が、現役での大学合格です。
関西方面の大学の合格者も多いですね。
国立大合格者は強化部の生徒が多数いるそうです。部活と学業とのバランスを上手に取れる子はやはり強いですね。
上位大学の合格者の特徴として、「素直」「基礎に忠実」「部活や習い事その他の行事にも熱心」というのをあげられていましたが、これは私の長年の経験でも全く同じことが言えます。
入試に関しての特記事項
<中学入試に関して>
こちらの中学校は、1月の入試では、自分の得意分野を活かして、4つの入試スタイルから選択できます。
総合問題(理科・社会)・英語(リスニングあり)・音楽実技・体育実技のうちからどれかを選択
+ 国語と算数
国語と算数の基礎学力は重視されています。しっかりとやっておきましょう。
毎年言われていますが、「個性を大切に、好きなことに熱中できる人を受け入れたい」と言われている学校なので、習い事などでちょっと変わったことをやっている子なんかは応相談です。
音楽実技はピアノやバイオリンで受けようとする子が多いと思いますが、例えばマリンバとか、そういったことでも、こちらの学校は逆に興味を持たれるはずです。
2月入試は作文と面接です。質問に答えたり、コミュニケーションが得意な子はこっちもあり。
小学生にはチャレンジテスト会を行われたりと、入学前から手厚くサポート&ウェルカム姿勢の学校なので、受験前からあれこれ参加したり、なんでも相談されると良いです。
<高校受験に関して>
時々、中高一貫校に高校受験で入る(外部生)ことに対して、
「出遅れてるぶんその先(大学受験)が不利じゃないだろうか?」「内部生は中3で高校の内容に入っているのに、高校から入って授業についていけるんだろうか?」など、不安を抱える子が結構いますね。
ですが、その辺りはそんなに気にしなくて大丈夫ですよ。
通常、内部生と外部生は、高1では授業(特に数学)が分けられたりして、バランスがとられます。で、大学受験期には、内部生も外部生も、どちらかに優劣が付くようなことはほとんどないです。現に、こちらの学校の現高3生のトップは、外部生だそうですよ。
私もこれまでたくさんの中高一貫生の、内部生、外部生を見てきましたが、関係ないです。内部生の子達が高校生になって「外部の子達って、受験で入ってきてるからよく勉強しててびっくりする」なんて声もよく聞いてました。
むしろ、そういうのが理由になって候補から外してしまうのであれば、その外し方はかなり勿体無いです。参考にしてください。
オープンスクール
直近のオープンスクールは、10月8日(土)
その他にも、講習会、入試説明会、個別相談会、などなど、目白押しです♪
感想とまとめ
長い伝統のある女子校の良さを出しつつ、芸術教育を通して、今の時代に必要な表現教育が行われている学校、という印象です。
少人数のクラスだし、「大切なひとり」を前面に押し出している学校だし、緑が豊富な広々とした敷地内で、個性を発揮して伸び伸びできる教育環境のように感じました。
たくさんの人がいるのは苦手、殺伐としていたり厳しい雰囲気は苦手。
女子だけの環境で、皆で仲良く楽しく過ごしたい、というような子には特に合いそうに思います。
そして将来、教員、看護師などの医療職、芸術、の方面に進みたいと考えている女子には、特に魅力的なんじゃないかなと思います。
現校長先生はじめ、学校全体として「ウェルカム♪」な雰囲気の学校で、受験から入学まであれこれとフォローが手厚いですし、保護者の方も学校に対して相談もしやすいはずです。
気になる子や親御さんは、オープンスクールなどで気軽に学校との接点を持たれてみると良いと思います。
で、ちょっと注意点が。
一緒に行った先生と話が出たんですが、芸術教育に力を入れているぶん、「美術とか音楽とかそういうのに全く興味がないとか、苦手という子は少しキツく感じるかもね〜」です。
むか〜し、友達とイタリアに旅行に行った時、イタリア国内の有名な美術館やバチカン博物館で大興奮していた私の傍で、「ふーん」な友達との温度差は、それはもうすごかったです(笑)
この説明会に参加されて、学校見学までされていた他の塾の先生方も、芸術系に興味のない方にはどう映っているかは分かりません。
どんなにいいなとこちら側が感じても、全く興味がないという人にとっては、苦痛な時間にもなります。特に、芸術面ではその感覚の違いは大きいんじゃないかなと思います。少なくとも私は、興味のない人との間の温度差の大きさは何度も体験しています(笑)
学校選び全般に言えることですが、オープンスクールで親御さんが良いな〜と思っている傍で、子供のほうは「えー、どこが?」ということもよく起こります。
はっきりと自分の意見を言える子はいいのですが、特に中学受験においては、子どは親の意見を自分の意思と混同してしまいがちです。子どもの適性や本人の本当の気持ちに沿った学校選びが大切ですね。
皆さんの、学校選びの参考になれば幸いです♡