福岡市内にある有名進学校(女子校)のひとつ、
福岡雙葉学園 福岡雙葉中学校・福岡雙葉高等学校の、塾対象学校説明会に行ってきましたので、そのレポートです♪

こちらの学校は、「グローバルシチズン」の育成を学園全体のテーマとしている、カトリックの女子校です。
英語教育に熱心な学校というイメージが、結構昔からあるかと思います。

現在は、そこに、ICT先進校という顔が加わっています。昨年は、教育関係者を対象として、ICT公開授業も開催されました。

時代の先を見据えた最先端の学習環境を、柔軟性とスピード感を持って随時整えています。
「先生たちが熱を持っている」と表現されていましたが、ICT教育推進委員長をはじめとして、若くて元気のいい先生が多いです。

新型コロナウイルス感染拡大の環境下でも、若い教員を中心に、即座に臨機応変に対応。生徒たちは自宅でも満足のいく学習環境となっているようです。

こちらの学校説明会、若い先生のパートは、「アップルのプレゼンみたい〜!」と、いつも思ってます。昭和の世代としては刺激的です(笑)
ステージ上をウロウロしながら、手元操作でスクリーン画面を次々変えながら、動画も見せたりしながら説明されてて、日本の学校っぽくない、こんなイメージ↓

今年はできなかったんですが、昨年と一昨年、授業見学させていただきました。授業の様子も、よくある日本の学校の、一方通行の授業風景とは随分違っています。生徒たちが、ワイワイと、よく動く&発言しています。

とてもスピード感のある学校なので、学校説明会で説明されるICT教育に関する情報は特に、年々大きく変わっています。

一昨年と昨年の説明会レポートのブログで、取り組みの変化も分かると思いますので、参考にしてください♪

2019年レポート
https://ameblo.jp/kotosa-taro/entry-12483783760.html

2020年レポート
https://ameblo.jp/kotosa-taro/entry-12624668804.html

 

この学校の特記事項

福岡(九州)のICT教育先進校 トップレベルのICT教育

昨年から就任されているやり手の谷本校長のもと、この1年でも大きく前進しています。iPad導入、wifi環境、デジタルスクリーン、といった学習環境作りに関しては、もはや当たり前すぎて話しにも出てきませんでした。もっと先を行かれています。

ICTの活用となると、上の世代になるほどハードルが高くなりますが、教員がZ世代の子供達に合わせる努力をされています。
教員のApple Teacher(Apple製品を教育現場で活用するための基礎知識を有することを証明する資格)の取得率が10%→80%

オンライン授業などをはじめとして、先を見据えたオリジナルの仕組み作りをすることで、コロナ下でも、先生も生徒も両方が安心安全な環境で、双方向のコミュニケーションを十分に取りながらの、十分な学びの環境ができているようです。

昨年はICT公開授業を実施。
ICT化は日本の学校全体の課題ですが、この公開授業は「うちの学校すごいでしょ」と、学校のすごさを示したくて開催されたものではありません。
他の先生たちと情報の共有&交換をしながら、皆で福岡の教育を盛り上げていきませんか?という趣旨で行われたものです。

私も参加させていただいたんですが、本当〜に参加して良かったです。これからの教育に関しての視点がさらに上がりました。

現在は、さらにそこから進んで、ICTを活用した「総合的な探求の時間」「総合的な探求の時間」の授業展開に力を入れられています。

今年は、「総学×総探×ICT」をテーマとして、〜教育関係者、小・中学生、保護者を対象とした参加型の公開授業が今月実施予定です。詳しくは次で。

「総合的な学習の時間・総合的な探求の時間」への全力投球

学習指導要領の改定により、来年2022年度から、高等学校の「総合的な学習の時間」が、「総合的な探求の時間」に変わります。もちろん、評価の対象です。

現代社会は困難でかつ予測不可能な時代に直面していますが、それに合わせて日本の教育も転換期を迎えています。文部科学省はその中で「総合的な探求の時間」を新たに実施し、社会で求められる力=「生きる力」の育成を求めています。

文部科学省のホームページを見ていただくとわかりますが、教育における3つの柱「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間力」を網羅的に育成する授業としての位置づけとなっています。

私の表現で言うと、「これまでの、一方的に授業を聞いて知識を詰め込むだけでは、今の社会では通用しないし、共通テストをはじめとして、大学入試も突破できなくなってる。もはやそれは学力とは言わないよ。だから、これまでとはもっと違った学び方をして、主体性だとか、本当に必要な生きる力を養っていこうね」と、促しているような科目。

これまでとは違う趣旨の授業になりますから、学校の特色が色濃く出るかと思います。

こちらの学校では、先取りでこの時間の授業に全力投球しているとのことでした。

事例紹介がありましたが、興味深かったです。
いくつかのテーマが用意されていて、生徒が好きなものを選ぶシステム。なので、各テーマ担当の先生が、自分のところに生徒を呼び込みのために動画を作ったりして生徒にアピールするそうです。
アピール動画、最新映画予告みたいでクオリティーが凄かったです!

テーマの1つに「走れメロスは本当に間に合ったのか?」というものがありましたが、これは国語×数学ですね。
走れメロスの文章の文脈から情報を抜き取って、速度と距離を計算したりして、実際には間に合ったのかどうかを検証する、という感じのもの。

これ、めちゃくちゃ面白そうじゃないですか?私も参加してみたい!
生徒たちはどんな結論を導き出したんでしょうね。

生徒たちは、目をキラキラさせながら、この時間の授業も楽しそうにしてるとのこと。

そりゃそうだ〜。

今後は教科横断・文理融合型の学習が当たり前となっていきます。
すでに、高校・大学入試問題では、この型の問題が出題されていますから、国語力がないと数学が解けないとか、そういう事態になってます。

受験のための勉強ではなく、いかに日頃から幅広く物事に興味関心を持って、思考力を働かせているかがポイントです。

机に向かってひたすら暗記をしている子よりも、外でたくさんの経験・体験を通して学んでいる子が強くなります。

今年も公開授業をされるそうですが、今回は、力を入れているこの授業をベースにして、「総学×総探×ICT」をテーマとして、〜教育関係者、小・中学生、保護者を対象とした参加型の公開授業となっています。

オープンスクールも兼ねるので、小・中学生、保護者も参加できます。
ぜひ参加してみてください。

豊富な指定校推薦枠 

私立の強み、指定校推薦枠ですが、ここは、卒業生167名に対して、指定校推薦枠数が748名。関東・関西圏の難関私立大学も豊富です。

指定校推薦枠が豊富なため、推薦入試での現役進学率は71%。多くの生徒が指定校推薦を活用します。
在学中に真面目に頑張っておけば、自分に合う大学への進学が有利です。

医進Sコースに関しては、指定校推薦は利用できません。それより上を自力で目指します。

コースと特徴

各コースの特徴の詳細は、学校のパンフレットに詳しく載っていますので、そちらを参考にしてください。QRコードからは、生徒が自作した紹介動画が見れますよ。

福岡雙葉中学校

中学校の紹介動画あり

福岡雙葉高等学校

高校は、医進S(サイエンス)、GL(グローバル・リーダー)、特進・進学の、3コース編成です。

高校の紹介動画あり
紹介動画あり
紹介動画あり

入試情報

学校によって情報の開示度に差があって、なんでもぶっちゃけますというフルオープンな学校から、なるべくクローズドな学校まで様々ですが、こちらの学校は、なんでもフルオープンです。
入試結果や他校との比較、入試日程の組み立ての作戦など、「え、それ言っていいの?」ということも結構開示されています。会場に笑いが起こりますが、正直で好感が持てます(笑)

ここでは、2022年度の高校入試成績基準と、特別奨学生制度のFスコア基準をあげておきます(鉛筆書き)ので、高校入試で検討している子は参考にしてください。
どのコースも専願がマイナス2ポイントです。

また、GLコースは、英語に関しての一定の受験資格の要件があるので注意です。

特別奨学生制度

女子が気になる制服

トイレも綺麗です!

私が思うこの学校の良さ、この学校に合いそうな子

少人数なのは私立の良さです。教室内の隣同士の机の間隔が広いです。
今年は授業見学はできませんでしたが、昨年までの印象では、授業風景は、みんなワイワイ、キャッキャで、楽しそうです。これは、授業を聞いていないからではなくて、生徒主体の参加型の授業展開のためです。

男子がいないことで、女子だけで伸び伸びできるというのも、女子校の良さですね。

ここに通ってる子は「毎日楽しい!」とのことですが、自分が積極的に参加できる、興味を掻き立てられる授業がたくさんあって、先生たちも元気で・・。
そりゃあ楽しかろうな、という印象を持ちます。

また、高校医進SとGLコースは定員が15名設定。受験に向けてのレベルの高い教育を少人数で受けられるのも、価値が大きいかと思います。

「グローバルシティズンの育成」を掲げて、若い先生を中心として、常に先を見据えて、柔軟性とスピード感を持って、先進的な教育をどんどん行われている学校です。

そういった学び方がいいなと感じる子、そして、自分たちの時とは違う、時代を見据えた進んだ教育を受けさせたいと思われているような親御さんには、魅力的な学校ではないかなと思います。英語教育の質の高さとこれまでの実績は、海外志向の子にとっても魅力でしょう。

また、おとなしくじっとして授業を聞くのはイヤ、色んなことをしたい、自分がどんどん動きたい、というタイプの子は、伸び伸びとできると思います♪

オープンスクール

10月23日の公開授業が、オープンスクールも兼ねています。

まとめ

高学歴だけど無気力でニートの社会人、主体性に欠ける大学生、など、当時の受験のために勉強して知識は詰め込んできたけれど、人間性やコミュニケーション力を養えていない、自ら考えて主体的に動くことのできない若者(社会人)の存在が問題になっている・・、
そういう話題を耳にされたことがあると思います。

私は職業柄、それに関連する現場をたくさん見てきました。
高学歴だけが売りで人間力に欠ける方が塾講師の面接で落とされるのも見ましたし、大学の教授たちが今の大学生の有様を嘆いている話しを聞いたりしました。

そして、受験戦争を勝ち抜いて有名進学校に入学したはずなのに、入学後に抜け殻になっている子、我が事なのに他人事で本人よりも親御さんが慌てているご家庭、生きてる実感を感じられないまま毎日を淡々と過ごしている子、そんな子たちをたくさん受け持ってきました。

「親が医学部以外許さんって言うから、医学部受験する。合格したらパリピになりたい」なんて言う子にも出くわしましたね(笑)

だいぶ前から、日本の教育の現状に疑問と危機感を感じていて、家庭教師としての在り方も途中で方向転換しました。

ここにきてようやく、日本のこれまでの教育が大きく問われ、時代の変化を受けての、近年の大きな教育改革です。

なんでもそうですが、転換期には混乱が起こります。
学校、塾などの教育機関、学生本人や親御さんは、今はまだ対応に追われたり混乱していますし、受験自体も二転三転。
ですが、私自身は、国が舵を切ったこの教育改革は、本当にいい改革だなと思っています。

以前、関東出身の、東大卒の知り合いの家庭教師の先生が、「福岡の教育はヤバイ。終わってる」と言われていて、ショックを受けたことがあります。
確かに、全国的にも住みたい街ランキングで上位に食い込んで、人口がどんどん増えて活気溢れる都市でありながら、正直、福岡の教育の遅れ感は否めないと感じます。

そんな中で、こういった革新的な教育を行っている学校の存在は、私はもちろん、親御さん方をはじめ、その他の教育関係者にとって、いい刺激、いい気づきになるかと思います。

特に、「皆で福岡の教育を盛り上げようよ!」と言う姿勢で、学校の取り組みをオープンにされているのは、とてもありがたいです。昨年の公開授業では、私もたくさん新たな気づきと視点をいただきました。

個人的には、この学校を検討している方と言わず、私たち昭和世代の親御さん方皆さんに、この学校の公開授業にぜひ参加してみてほしいなという気持ちです。この学校を推しているからというわけではありませんよ。
今の時代に必要な学びは、自分たちの頃とは全然違うということが分かりますし、子どもの将来を考える上で、自分の経験をもとにした古い思い込みの世界から解き放たれます。

そうなると、この学校でなくても、子どもの進路選択、学校選びを考えるときに、見え方が大きく変わって、今の時代に合った視点で、子どもにとっての正しい判断ができやすくなると思います。

私が、こういった会やセミナーの類にできるだけ積極的に参加して、最新の情報に常にアップデートしているのは、熟年者にありがちの、自分の過去の経験ややり方への固執を防ぐためでもあります(笑)

親御さんとの会話の中で出てくる、親御さん視点での子どもの将来の進路の考え方、子どもへの希望や期待、悩み事などは、その多くが親御さん自身の学生時代の常識が起点になっています。

それが証拠に、今の現状をお伝えすると、「え〜っ、そうなんですか?わー、知らなかった!」って、驚かれることも多いです。

今の親御さんは私とだいたい同じ世代なので、言葉の裏が特に読みやすいです。「確かに、あの時代だったらそう思うよね〜〜〜」って、わからなくはないです。

自分が通って来た過去を、否定するのは勇気がいります。

私たち昭和の世代が受けてきた教育、
「ディス、イズ、ア、ペン!」「ゼア、イズ、〜」「はい、読んで〜(日本語読み)、書いて〜(筆記体とか)、辞書めくって〜(発音記号見る)」「はい、何回も書いて覚えて〜」「語句をとにかく暗記して〜」
で、何時間も机に向かって、ノートが真っ黒、ペンダコが努力の証。

私が当時の先生たちの言うことを信じて疑わずに、没頭して努力し続けてきた、あの学習方法。あれだけやったのに、あれだけ頑張ったのに、勇気を持って「ノー!!」を突きつけて、手放さないといけません。

子どもの机の上にあるだけで遊んでいると思い込まれる、親御さんにとって悪の化身のスマホ(笑)。
実は、成績をグングン上げている子ほど、学習アプリなどスマホの機能を積極的に活用して、効率的に学習しているという実態があります。先日私の生徒でTOEICの点数をグンと上げた子も、ほとんどスマホ学習です。

子どものほうが、賢く時代に適応しているところもあります。

子どもの将来を開くも、閉ざすも、周囲の大人たちのものの見方によって大きく影響されます。それを肝に銘じて、子どもの将来を開く側の大人でありたいなと思います。

福岡雙葉の説明会レポート、いかがだったでしょうか?
学生さんたちの学校選びに、そして親御さんへの新しい気づきに、何か参考になると嬉しいです♪