目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけた社会人になるための、総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です♪

さて、今年もこの季節がやってきました。塾対象の学校説明会。
毎年この時期には、地域は限られますが、いろんな学校が見て回れて、時には生徒さん達とも交流ができて、特に楽しいです♪

今年のトップバッターは、福岡県太宰府市にある、
福岡県立福岡農業高等学校

143年(今年で144年)の歴史と、西日本一の敷地面積を誇る、専門高校。自然に触れ、地域に貢献し、心も人間性も育つ教育が行われている学校です。

生徒さん達は、教室でじっと座って勉強するだけでなく、実習等で主体的によく活動しているので、進学校の生徒と比べて疲れてない(笑)、表情が生き生きしている、という印象が強いです。

毎年お邪魔していますので、高校の基本情報などは昨年のブログを参考にしていただいて、今回は、今年新たに得られた情報、感じたことなどを中心に綴っていきます。

昨年のブログはこちらです。合わせてご覧ください。
https://sannomiya-s.com/uncategorized/fukunou-schoolreport.html

 

 

今年の学校全体の特記事項、新しく得た情報

「福岡くん」に学校が取り上げられ、9月にまた出演

説明会開始前の時間に、福岡の地方番組「福岡くん」の最初のほうが流されていました。
いや〜、これ、めちゃくちゃ面白くて、最後まで見たかったです。

普通高校とはかなり違ったカラフルな高校で、生徒さん達が皆イキイキしてる様子が映ってることもあって、この放送後、学校が注目されて人気が出てるようです。

来月9月18日の放送で、再度出るそうで、今度は、生徒達運営で毎月行っている「農産物販売会」に焦点を当てて放送されるとのことです。楽しみ♪

150周年に向けての校舎の改修工事

校舎の改修工事が始まるようです。
学校としてこの区切りに向けて、「教育の質をより高める」という方針です。
かなり人気が出てきている学校なので、校舎が綺麗になる頃には受験者がすごいことになるんじゃないかな〜、なんて思ってます。

食堂あり

専攻科も敷地内にあり、そして、専門高校で体が資本!ということもあり、安くてボリューム満点!な、食堂があります。
午前中に教室で座学、午後には実習が多く、広い敷地内でよく動くでしょうから、お昼にしっかり食べられるのはいいですよね。

全学科通しての、20を超える地域との連携事業

ここが本当にすごいな、いいな、と思っているところなんですが、
カルビーと連携企画して実際に商品を世に出したり、地域の子ども達と一緒に稲作したり、野菜育てたり。
聞いてびっくりな、学生がやるとは思えないような、大人顔負けの地域と連携した、地域に貢献することを、しかも生徒達主体で展開しています。

今年新しく聞いたのでは、

・太宰府天満宮の毎年の菊花展(地元の方はよくご存知と思いますが、あの、すごいやつ)にも出してる。

・カルビーと生徒の間で毎年行われる商品開発は、企業秘密ということで、学校の先生達でも生徒に商品内容は教えてもらえない(笑)

・博多阪急で、市民へ向けてのパン製造の講習会を生徒達が行う。

・地域の幼稚園や保育園への給食パンを提供するだけでなく、そのパンに練り込む野菜を、その園児達と育てることもやる。

・野菜シスターズに扮して、野菜デザインの衣装で、保育実習で食育の紙芝居をする。


などなど、外部とつながった活動実績がすごいです。

8年連続進路決定率100%

昨年に引き続き、進路決定率は100%
各学科の特徴を活かして、各分野に就職できているようです。

令和3年度は、
就職が34.8% 、 専門学校・専攻科・農大が43.9% 、  短大が11.6% 、  大学が9.7%
今年もだいたい同じ割合になりそうとのことです。

専攻科は、今年は詳しい案内パンフレットが渡されました。中に詳しく書いてあるので、気になる方は見てみるといいです。
専攻科は短大同等になります。また、大学3年次編入可能で、カリキュラムが変更されてさらに編入しやすくなってるそうです。

 

学内見学の様子

左は、SDGsをテーマにしたデザイン制作。着物リメイク作品は、とってもおしゃれで古さを感じさせませんでした。写真撮ってなかった〜〜!
他にも、デニム(おそらく着古したものかな)を素敵にアレンジしてリメイクしたもの、ペットボトルや新聞紙を使った斬新なものもあったり、発想がすごいな〜って、感心しました。

右は、幼稚園児なんかに食育する時用のエプロンかな?
ぬいぐるみとか、野菜とか、マジックテープ式で、取り外せるようになってました。

 

農業クラブならではの掲示物♪

NPO法人 Eating Love Circle 驚きはその活動内容!

生徒達が、NPO法人で、「子ども食堂」を運営しています。
もちろん理事は生徒。学年が上がっていくわけなので、毎年理事が変わるそうです。

注目していただきたいのは、この子ども食堂のスタイルです。
通常、子ども食堂というと、日程を決めて、子どもたちに、あらかじめ作っておいた食事を提供する、というのを想像しますよね。

なんと、こちらは、それとは随分違っています。

ただ単に食事を提供するのではなく、食育も意識したうえで、
「子ども達に、自分でもできる力をつけてもらうこと」を目的として、一緒に野菜を育てたり、調理したり、そういうことまで、子ども達と一緒にやるそうです!!

こういった取り組みを行う子ども食堂は、他では聞いたことがありません。

「エンパワメント(力づけ)」という言葉を聞いたことのある方も多いと思うんですが、弱者に施すということから、自分達で動けるようにする力づけ、への視点の転換は、私もとても共感します。

学校内に、野菜育ての専門家の生徒がいる。調理の専門家の生徒がいる。野菜を育てられる畑もたくさんある。
この環境を活かさない手はない!と、学校の資源をフルに有効活用した取り組みですよね。

園児に提供する、無添加のパン製造 生徒たちの思い!

こちらの学校では、生徒が作ったパンは、保育園や幼稚園の給食パンとして提供されています。

昨年の説明会の際に、
「本当は、前日に準備しておいたらいいのに、『それだと添加物を入れないといけなくなるから』という理由で、生徒達が自ら、朝めちゃくちゃ早く登校してきてパンを作ってるんですよ」
というお話をして聞いていました。
高校生にとっては、朝は少しでも長く寝ていたいはず。それを、先生から言われて仕方なく、ではなく、自らそういう判断をして行動するって、すごくないですか!?

私、是非とも、そのパンを食べてみた〜い!!って思ってたんですが、今回の学校見学でそれが叶いました♡
パン製造の実習してる教室に着いたら、生徒さんが出てきて、「よかったら、持って帰ってくださーい♪」って。

ほんと、ラッキーでした♪
私が選んだのは、ハムと玉ねぎの惣菜パン。

で、本当に驚いたのは、家でこれを食べた時。

いやー、もう、これが、感動ものでした!
なんて優しくて美味しいの〜〜〜〜!!
「思いがこもるって、こういうことだわ〜〜」って、あらためて感じましたー。

本人達に、「美味しくて感動しちゃった!」って、伝えられないのが本当に残念です。

 

入試に関して〜簡単に入れると思ったら大間違い〜

日本は、食料自給率の課題を抱えています。近年、国を上げて農業が大きく変わっていってるのも、ご存知の方も多いかと思いのではないでしょうか?

農家の高齢化や後継者問題が慢性化する一方で、今後は法人化による農地の集約と経営の大規模化、機械化による経営効率の向上が進むことも予想されています。実際に、法人による農業経営体は増加しているようです。

そして、注目の、スマート農業の進展。うちの地元でも、畑の上をドローンが飛んでる光景を、頻繁に見かけるようになりました。

また、国の、Society5.0の農業分野での実現への取り組みも始まっています。

うちの実家は田舎で、畑が何枚かあって、その関係で農業に関する話をよく耳にするので、田舎でも農業が変わってきているのを体感しています。

そんなこんなで、今、農業は、日本の抱える大きな課題解決に挑む超重要な、そして若い人たちにチャンスも多い、アツい分野。


そういう社会的な背景がある、テレビで取り上げられる、不真面目そうな生徒は全くいない、生徒達がイキイキしてる、確実に何かを身につけてその先に繋がる。専攻科や大学行くまでかかる費用が安く済む。ちなみに専攻科はおとなり、農業大学校はすぐ近く筑紫野市と、地の利がある・・等々。

で、人気がどんどん上がっていて、この学校の入試は、難化しています。

昔の農業高校のイメージは、捨てたほうがいいです。
昨年の入試倍率を見てみてください。驚くと思います。

そして、説明会に参加されていた他の塾の先生がおっしゃっていたんですが、
「お兄ちゃんの時は合格できて、その弟はお兄ちゃんよりも成績が良かったのに、弟は合格できなかったんです。あの子が通らないなんてあり得ない〜」

こういうことって、人気が上がる学校ではよくあるんです。
ここのオープンスクールに行くと、生徒は良い印象を持つと思うのでなおさらです。

少し前までだと、「勉強が苦手」な子の受け皿にもなっていましたが、今ではそうではない印象です。


説明会では、
「150周年に向けて、教育の質を高めていきます。うちとしては、これからの農業を牽引していく若者を育てたい」
そして、
「高水準の生徒が欲しい。短大〜4年生大学への進学を希望する生徒に入ってほしい。」

と、おっしゃっていました。

で、今実際に入ってくる生徒は、入学時から目的意識をしっかりと持っている子が多いそうです。
去年も、生徒達の意識の高さを感じました。

真剣にこの学校を検討したい、という子は、目的意識をしっかりと持ったうえで、特色化選抜などで、早々に手を打った方がいいと思います。


ちなみに、オープンスクールは基本的に中学校を通してです。

 

今年の感想とまとめ

こちらの学校は、説明会に参加するのはもう3回目くらいになりますが、生徒達がイキイキしているという印象がとても強いです。

そして今回は、「福岡くん」の面白エピソードで、
・校門入ってからの、高低差18m、距離400mの、朝から地獄の福農坂〜
・10分の休み時間の間に、次の授業場所に移動するのに広い敷地内をダッシュ〜
など、ゲラゲラ笑って見ましたが、

毎回思うのが、
ここに3年間通ってたら、心も身体も元気になるよね〜。体力も養われるし、よく食べれるようになるだろうな〜。
地域のいろんな人とも関われて、生きた学びができるよね〜。
生きてる実感があるよね〜。

あれだけ自然が好きだった私が、進学校で、教科書に書いてあることが全て。毎日毎日じ〜っと机に向かう日々を通して、虚弱体質に拍車をかけてしまった私は、
実際に生徒さん達の表情を見て、やはりそんなことを強く思うわけです(笑)

そして、高校の時点で、今の日本や世界が抱えている課題、SDGsへの取り組みを、考えるだけでなく、リアルに、しかも生徒たち主体で「実践」しています。
これは本当にすごいなと思います。

県立にありがちな、長々と同じことをやっているということでもなく、次々と新たな挑戦をしていて、非常に時代に即した学校だなと感じます。


ブログを読んで、興味を持たれたら、一般向けに定期的に行われている農産物販売会に行ってみられるのもいいかと思います。
生徒さん達の様子も見れますし。

 

このブログが、何か参考になれば幸いです♪

 

おまけ

いただいたお土産〜〜♡

私が超〜感動したパンと、一般の方にも大人気の「福農黄金たまご」
朝取れのやつ。

卵もとっても新鮮で、色が濃い〜〜〜
この卵も、めちゃくちゃ美味しいです。この卵食べて以来、毎回こちらに買いに来る地域の方がたくさんいらっしゃるのも納得!