目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけ、
「幸せに働ける社会人」になるための、

総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です。

 

本日は、福岡市中央区にあります、

筑紫女学園中学校・高等学校

の、説明会レポートです。

 

こちらの学校は、北九州や筑豊地域などからも中学受験する子たちが結構いて、
北九州にいた頃から、馴染みのある学校です。

そして、ここに通っている生徒から、仏教(浄土真宗)の学校ならではの面白エピソードを色々聞いていたこともあって、
個人的に興味津々(笑)

一度行ってみたいな〜と思っていましたが、
今年ようやく、参加できました!


同じ女子校でも、キリスト教系の、福岡雙葉や福岡女学院とは

当然、随分と違った校風、雰囲気の学校でした。

 

創立116年、伝統と革新が融合した学校で、
こちらの学校も、
伝統を大切にしながらも、今の時代に合わせて様々な教育改革を行われています。


むか〜しは、中学受験で筑女を目指す小学生のお母さんが
「将来的に、お嫁入りに有利だから」
そういうことを理由にするような時代がありました(笑)

ですが、今ではそういうことを目的として女子校に行く時代ではなくなってるな〜

と、あらためて感じる説明会でした。

 

ここでは、筑紫女学園のざっくりとした全体像と、

個人的にこの学校に感じた印象などを綴っていきます。


パンフレットでは触れられていないことや、個人の見解も書いていきますので、
参考にしてください。

 

 

教育改革での取り組み

” Teach Less,  Learn More “
をスローガンに掲げ、未来社会に向けて必要とされる人間の育成を目的とした教育プログラム、
創 “MIRAI”プログラムを展開。

どのコースも、
STEAM教育の要素を取り入れた、「学力」と「探究」の循環を具現化。
「生徒が自走する学びのサイクル」を実現することを目指して、様々な教育が行われています。

特に、この「探究」の活動については、

教科横断型特別プログラムや、九州工業大学とのコラボ授業、その他大学との連携もあります。

「志の種をまく」と、よく表現されていましたが、
生徒たちは自主的に、以下のような様々なものに参加しているそうです。

上の、” Stanford e-Fukuoka” に参加した、高2の生徒さんが在校生挨拶をしてくれましたが、

「この学校には、スピーチやプレゼンの場がたくさんあって、人前で話すことにも自信がつきました」
と、堂々と話していたのが印象的です。

 

医進・サイエンスコースの探究活動

私が個人的に、1番注目したのがコレ!

医進コースの生徒さんが実際に探究発表を披露してくれましたが、
これが、ひじょ〜〜〜に、良かったです。

一人の生徒さんは、
「精神疾患における痛みやストレスは、VRで軽減することができるのか?」
というテーマで、VRを用いた暴露療法の効果についてのこれまでの研究データを根拠に、論理的に考察し、結論までをまとめ上げたプレゼンでした。

医療分野をかじっている私なので、その内容自体も興味津々でしたが、
プレゼンに至るまであそこまでまとめ上げる。
その過程を、中高で数年かけて、探究活動の授業で学んでいけるのは、非常に良いなと思います。

大学に入って通用する、これこそ高度な学びです。

 

受験を考慮しても、

推薦型選抜や総合型選抜実際に、
そして、近年の医学部受験問題そのものにも、この力は必ず活かされます。

医学部受験問題は、昔と違って、知識詰め込んだだけでは対応できないものも多いです。

 

 

各学年のコース編成と、大学との連携授業

中学(中高コース)

中1:成績で、I類とII類のクラス分け

中2:中1と同様。クラス替えあり

中3:希望と成績で、医進・サイエンスコース、I類、II類

 

高校

高1では、中高コースと高校コース(高校受験組)で別授業ですが、
高2で、中高コースと高校コースが合流します。

これは、一般的に、中高一貫校の通常パターンですね。

で、こういうのを見て、高校受験組(本人も親御さんも)は、
「途中から中高コースと一緒になって、ついていけるのかな?
だって、中高コースは中3で高校の内容をやっりしてて、どんどん先に進んでるんでしょ?!」

こういう不安を訴えられるご家庭もありますが、
そこは全く心配しなくて大丈夫です。
高校受験対策でしっかり学習習慣を身につけていれば、合流した後で差は付かないです。

もしも、そういうことがネックになって、ただそれだけで、
中高一貫校の、高校受験を控えようと考えているなんてことがあれば、
それはもったいないです。

そんな考えは捨てて、ぜひ臨んでください!


また、部活の入部状況ですが、医進・サイエンスコースでも本人の頑張り次第で両立は可能。

高校生の70%以上は部活に入部しているそうです。

 

医進・サイエンスコース

医サイ探究をはじめ、福岡歯科大での実習、久留米大学医学部ドクターヘリ見学など、大学とも連携した様々な取り組みが行われています。

I類・II類コース

企業や大学訪問、その他、こちらも大学などと連携した様々な取り組みが行われています。



 

宗教教育

こちらで36年お勤めの宗教の先生が、浄土真宗(東本願寺?)のお坊さんで、学校での宗教教育についての説明をされました。

心が一番成長できる年代に宗教教育ができることの意義として、
思いやり、コミュニケーション能力、命の共感性といった人間力を養うことをあげられていました。

生徒たちにする具体的なお話しの例を挙げられていましたが、
屠畜場の牛がどのように最後を迎えるか、
の場面を詳細に話されて、

「いただきます」の重さ、自分達の命がそのような生き物の犠牲の上に成り立っていること、私達はそうして生かされている事、次は自分から他者へ命を送る、いわゆる「恩おくり」をすること、

そのような話をして、心の成長を促す教育をしている、とのことでした。


この、「屠畜場の牛」のお話しは、私も引き込まれてしまいました。

そういえば、お店で綺麗にパック詰めさえれた肉見て、そこに命が宿っていたことって、普段あんまり考えてなかったな〜、って振り返って、

あらためて、食事をする際にはもっと感謝して「いただきます」を言わなくちゃな〜って、感じました。


まるで、法事の時にお坊さんにしていただく法話を聞いてるかのようでした。


中高生の教育の中で、こういった「命の学び」ができることは、

命が軽んじられる出来事や事件が増えている昨今の日本、
そして、偏差値至上主義で知識だけを詰め込むような日本の教育(私が教育で危機感を持っているところ)の現場が多い中で、

特に貴重じゃないかな?
と、個人的に強く思います。

 

当然、受験に必要な偏差値には表れてはこない、
「見えない教育」の部分ですが、

こういうことが活きてくるのは、社会に出てからです。

 

 

また、パンフレットに載っていますが、

医進・サイエンスコースでは、「いのちの教育」があって、
学校の建学の精神である浄土真宗の視点から、終末期医療や医療倫理等について授業で取り上げるようです。
医療従事者としての「心」を育てることも重要視されているようです。

 

 

進学実績

こちらの学校では、学校行事として芸術鑑賞能楽鑑賞などもあります。
これが影響しているところもあるのかな?と思いますが、
芸術系に進む子もそこそこいるようで、
希望制の課外には芸術課外もあるそうですよ。

 

また、受け持ってきたここの生徒たちの傾向、耳にする情報から、
医療系に進む子たちが多い印象を持っていますが、

今回説明会に参加して、なるほど、となったのと、
公開されている大学合格状況を見ても、確かにその傾向が強いようですね。

 

 

入試の特記事項

入試の合格ラインなど、極秘情報を入手できましたが公開はできませんので、
ここではその他の、説明会で得られた特記事項について簡単に触れておきます。

中学入試

中学受験で女子校狙いの子は、ここを第一希望にしている子も結構多いかと思います。

説明会では令和6年度の出題傾向と対策をプリントでいただけましたが、
こういうことを知ってるのと知らないのとでは大違い。
受験する子は、傾向をしっかり理解したうえで効率的に勉強していくのが大切です。

10月28日(土)の学校見学会では、入試のアドバイスもしていただけるそうですよ。

 

現在、国をあげて、理系女子を育てることを後押しする動きがありますが、
そこを踏まえて、大学のほうからの連携の話しが来ていて、中・高・大の連携が進んでいるそうです。

これから中学受験をする子たちがこの学校に入ったあとは、さらに大学と連携した学外授業プログラムが増えそうですね。

 

高校入試

専願入試の募集人員が、プラス10(医進・サイエンス+5、I類+5)の、
100名になっています。

そのぶん前期入試では、マイナス10(II類でマイナス10)の、
130名の募集です。

 

再受験料免除制度

専願入試の合格者が、アカデミック特待や医進・サイエンス、I類を希望する等のために、前期の試験を再受験する場合は受験料が免除されます。

専願で合格したコースは確保しつつ、さらに上のコース目指してのチャレンジが、受験料なしでできますよ〜。

 

 

学内の見学の様子

説明会の中では、学生さんたちの授業風景を見学させてもらえました。

校内は、全体的に木目が多くて暖かな雰囲気です。

 

驚いたのは、トイレの綺麗さ!!
説明会会場の、講堂のトイレだけが綺麗なのかと思ったら、

生徒たちが使う教室階のトイレも、綺麗で数が多くてびっくりしました!

女子学生にとっては、トイレの綺麗さは、制服と同様に重要なところですからね(笑)

 

そして、説明会内で見学させてもらった後に、
個人的にお願いして、別のところも見学させていただきました。

登録有形文化財に指定されている、茶室、香風亭!

茶室2棟あって、結構な広さです。

茶道部が使うのと、お作法(マナー)を学ぶときなんかにも使われたりするとか。

そして、高校茶道部は、表千家・裏千家・大日本・煎茶、4つに分かれていて、外部の講師の先生が来られるらしいですよ。

茶道部がこれだけ分かれている、というのは初めて聞きました!

写真で良さが伝わらないのがちょっと残念

 

校舎の間には、枯山水の庭が。

 

いつも一緒に説明会に参加する塾の先生が、ポスターをもらうのに、
資料室に入ったんですが、

そこには、学園の年表、各部活の作品やトロフィー類がたくさん並んでいました。

過去には、
マザーテレサや、ダライラマ法王14せいが来校して講演されたようで、その時の写真もありました!

こんな可愛らしい制作物も

 

そして、塾の先生がもらわれていたポスター2種類ですが、
よくある、モデルさんを活用したポスターだと思ってたら・・

どちらもこちらの学校の生徒さんとのことで、それもびっくりでした〜!

この子、凛とした賢い子の表情してるし、モデルやったら良さそうな美人さん。

 

学校の正門には、お寺の入り口にあるような筆書きの言葉。

お寺と同様に、毎月今月の言葉として、体育館にも掲げられるそうです。

 

 

説明会中の見学は、生徒さんたちの授業風景のみの見学でしたが、

個人的にお願いして、説明会の後に、色々解説を受けながら見せていただいたことのほうが、
こちらの学校特有の良さが見えて、とても印象が良かったです。


こういうのって、もしかして福岡の皆さんは当然のように知ってることですか?
伝える必要もないレベルのことなんでしょうか??

私と塾の先生、よそ者2名は、初めて知ることに終始感嘆の声をあげていました〜(笑)


西洋の、キリスト教がベースとなった学校とはまた大きく違って、
日本古来の良さを留めつつ、新しいことを取り入れている学校という印象でした。

説明会で発表をされた一人の生徒さんが、
「私は日本の昔からの文化が大好きで・・」と言ってましたが、

茶道部(四つ)だけでなく、華道部(二つ)、宗教部(仏教を深めるんでしょうか??)、書道部、百人一首部、それに、箏曲部。

日本文化を象徴するような部活が豊富なのも、特徴的だなと感じます。

 

 

学校紹介・見学会

中学校
高等学校
ナイト説明会もあり

 

これまで訪れたことのある、福岡雙葉や福岡女子もですが、
「女子校」ということで、
先入観から初めから敬遠する子もたくさんいると思います。

こちらの学校の校長先生もおっしゃっていましたが、
今の女子校は、行ってみると、そのイメージが変わるはずです。

キリスト教系と仏教系でも、雰囲気はまた随分と違いますから、

とにかく見学してみることをオススメしますよ。

女子校は、共学と違って、
とにかくジェンダーバイアスがかからない、
自由で伸び伸びと学び、自分らしさを発揮できる場所にもなります。

もしかすると、そういう場が「自分に合う」となるかもしれません。

 

まとめ

今回初めての、こちらの学校への説明会への参加で、
初レポートでしたが、
いかがだったでしょうか?

パンフレットや説明資料には載せられていないところや、個人的に感じたことなども、綴っていきました。

 

私は医療職として医療機関で働いた経験もあれば、
プロ家庭教師として、大学受験で医学部・薬学部を目指す受験生をたくさん受け持ってきた経験があります。



みなさん、
どこか病院に行って「なんでこんな人がこの仕事やってんの?!」なんて感じた経験はないでしょうか?

心がない医療職。ヤブ。たくさん存在しています。


私のところに相談に来られるご家庭からは、
医療機関などでこういう対応を受けて傷ついた、とか・・

そういう話しもたくさん聞いています。

 

そして、そういう、
トンデモな医療職の人材がどのようにして生まれているのか?

その過程を、
教育業界に長年身をおいて、周囲で見聞きしてきたことから、知っています。


本来なら、
人の命を救いたいとか、そういった高い志を持って医療職を目指すのが、
本来のあり方だと私は思っているのですが、

受験生のお子さんをお持ちの、親御さん世代のみなさんはどう思いますか?


大学受験の現場にいると、


頭が良くて成績がいいから医師薬が狙える。
そういう理由から医師薬系の学部を勧められて受験する子たちがいます。

親御さんの意向で、是が非でも医師薬!そうやって受験させられる子もいます。

安定職だから!親御さんのそういう意見から、看護職を目指すことを強要されている子がいます。

 

それでいいんでしょうか?

私は、そういう、
世の中のためにならないことには、一歳加担しません。

 

以前、会社から受け持った進学校の生徒で、
「お母さんが、医学部じゃないと許さん!って言ってるから医学部を受けないといけない。しょうがないから医学部に行くけど、さっさと受験終わらせてパリピになりたい」

私の初授業で、そんな爆弾発言を、なんの恥ずかしげもなくした子がいました。
同時に、ご家庭内でのこれまでの子育ても分かりますから、

「あー、日本はここまで来てしまったか・・」
ぶっちゃけ、そう思いました。


この生徒を私がどうしたかは・・、察してください(笑)


こういった教育現場での数々の経験が、
私が現在の、日本の教育のあり方に疑問を投げかけるきっかけともなっています。

 

命を扱う職業、仕事は、
そこに「心」が必要だと思っています。

医療職を志す子たちは、
「心」が養われている、人間力のある子たちであってほしいなと思います。

考えてみてください。

自分や大切な家族を、
「パリピになりたい」そんなことをほざいていたような医師に、見てもらいたくはありませんよねえ?(笑)

 

大学進学を目的とした普通高校の多くは、
重要視されるのは5教科の授業。
見ていくのは、とにかく成績、偏差値。

総合探求の時間も、どうかすると入試問題を解いている。

現状の受験に、人格などは考慮されていませんから。

 

ですから、今回こちらの学校の、
仏教(浄土真宗)視点からの「心の教育」が前提としてあることは、
とてもいいなと思います。


特に、医進・サイエンスコースで、
「いのちの教育」として高校在学中から、
終末期医療や医療倫理について授業で扱われることは、
とても意義深いと思います。

通常は、
ちゃんとした大学は、
入学時の初めのほうで、医療倫理を叩き込まれます。

 

一般的に、学校を選ぶ時には、
この学校で何が学べるのか、特に、その先の受験にどれだけ有利かとか、進学実績はとか、

そういう表だったことに注目される方が多いですが、


そこだけでなく、

「どんな人格者に育ってほしいか」
「我が子がどんな人材として社会で活躍するようになってほしいか」

親御さんが、そういうことを考えられるご家庭は、

こういった宗教教育をベースにした学校は、一考の余地ありといいますか、
惹かれる要素がたくさんあるかと思います。


あくまで個人の見解ですが、参考にしてください。

 

 

みなさんにピッタリの学校選びの、何かヒントになると嬉しいです♪