目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけ、
「幸せに働ける社会人」になるための、
総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です。
本日は、
福岡女学院中学校・高等学校
の、
塾対象学校説明会レポートです♪
今年で創立138年。
138年前は、日本はまだ女性の教育に理解がなかった時代です。
その頃に、アメリカの宣教師、ジェニー・ギールにより設立された、
福岡で初めての女子校です。
日本で初めてセーラー服を制服に制定した学校でもあります。
そんな歴史と伝統のある学校です。
共学の学校は、もともとは男子のための教育を、
女子も受けられるようにしていますが、
こちらの学校は、もともと女子のための教育カリキュラムから始まっています。
この学校の建学精神、スクール・ミッションやスクール・ポリシーを土台として、伝統的な教育のあり方を大切にしながら、
「凜として花一輪プロジェクト」
でのキャリア教育をはじめ、
今の時代にマッチした女子教育が行われています。
毎年参加してレポートを作成していますので、
この学校の特徴や全体像などは、
過去のレポートを遡って見ていただくこととして、
ここでは、今回新たに得られた情報や、個人的に感じたことなどを中心に、
綴っていきます。
自分に合う学校選びの参考にしてください♪
昨年のレポートはこちらです。
https://sannomiya-s.com/uncategorized/fukujyo2022.html
目次
今回の説明会での特記事項、新たに得られた情報
今年入学した生徒たちの生の声
今年もいただきました。
入学した生徒たちの生の声が詰まった冊子。
これ、毎年楽しみにしています♪
例年通り、
「先生が優しい、面白い」「皆すぐ仲良くなる」「皆個性がある」「女子だけでワイワイ楽しい」「一般的な女子校のイメージで最初は不安だったけど入ったら全然大丈夫だった」「礼拝の時間がいい」「パイプオルガンの講堂が自慢」「高校で入ったけど内部生が優しく話しかけてくれた」
などなど、
入った生徒たちの学校の評価はあいかわらず高いです。
そして、
「勉強しなさすぎて前期入試と一般入試に落ちて後悔したので、まじで早めに勉強を始めることをオススメします。頑張れ受験生!」
と書いてる子もいて、
クスッと笑っちゃいました(笑)
この子、後悔したあとめちゃくちゃ頑張って、
最後の最後、後期で食い込んだんでしょうね。
こんな感じで、生徒さんたちの本音の回答があるのも、微笑ましくていいなと思います。
その他、
「私立は下に見られたりするかもと怖くなり、ためらってしまう方が多いと思いますが(私もそうでした)大丈夫ですよ!・・」
とか、それに似たようなことを書いている子がチラホラいて、
他所から来た私は、
相変わらずの福岡の皆さんの根強い県立志向に、びっくりします。
その地域での知名度や昔からのイメージに左右されて学校を選んでいる、
このあたりに関しては、
福岡は一見都会のようで、田舎だなあ〜と(笑)
今の大学入試の現状を知ると、考え方は変わるんでしょうか?
今のこの時代に昔ながらの価値観で学校を捉えると、
それこそ後々後悔しますよ〜。
キャリア教育による実績
「凜として花一輪プロジェクト」による、キャリア教育
を行なっていることも、この学校の大きな特徴ですが、
その成果が大きく出ています。
「第10回 高校生ビジネスプラングランプリ」
で、
約5000プランの中でのトップ10のファイナリストに選出されたそうです。
すごいですね〜!
今の大学入試は、
「総合型選抜」など、
高校生活の中で熱心に取り組んだことが入試に活きてきますが、
この入試形態で、大学を受験する子たちが多くなっています。
「凛として花一輪プロジェクト」の教育活動も、
実際に、総合型選抜入試につながっているとのことです。
この学校特有の芸術教育
福岡には2校だけの、音楽科があることでも有名ですが、
その音楽科でなくても、
美術教育・音楽教育
があることが大きな特徴です。
学内のいろんなところに、生徒たちの作品や美術品があります。
今回も、生徒さんの作品やデッサンの授業風景などの見学をさせていただけました。
先日の、
サッカー女子ワールドカップで、コスタリカ戦で先制ゴールを決めた、
猶本光選手、
ここのご出身だそうですが、
中1の頃に作成した作品も拝見できましたよ!
めちゃくちゃ力強さを感じる作品でした〜。
中学生のバイオリンの授業を、今回も見学させてもらえました。
ほとんどの子が、バイオリンを触るのも初めてという中で、
みんな一生懸命「きらきら星」を弾いていました。
若い先生(ここの卒業生とのこと)が、
「さあ、今度は、こうして、もう一回やってみよう♪ いくよ〜っ♪」
と、明るく優しく指導されていました。
「大切なひとり」がシンボルワードの、少人数クラスでの手厚い教育環境
授業見学では、いろいろなクラスの授業風景を見せていただきますが、
この学校でいつも思うことが、
「生徒が少人数で手厚い」
ということです。
県立高校、または生徒数が多い私立の高校と比べて、
各クラスの生徒人数は格段に少なく、
教室内の、生徒の机同士の間が広いです。
また、授業によっては、
ほんの数人の生徒に、
先生がほぼ個別授業みたいに指導されている風景も見られます。
親御さんがたから良く聞かれるのが、
「先生が子どもをしっかりみてくれない」
というもの。
先生の質以外にも、
クラス構成、一人の先生に対して生徒が何人か、
というのは、
やはり影響は大きいです。
クラス人数が多ければ、やはり一人一人に目を配るのには限界があります。
しかも、
あっちの親御さんはこれを望まれているけれど、
こっちの親御さんは真逆のこれを望まれる。
例えば・・
「遅れてる(自分の)子にも授業進度を合わせて、丁寧にゆっくり教えてほしい。」
「遅れている(よその)子に合わせて進度が遅くなるのは困る」
とか。
笑笑笑笑〜
クラスに親御さんの要望を全て反映させることは不可能ですし、
中には、
過酷な労働環境で疲弊されている先生が多数いらっしゃる、という現状もあります。
殺伐とした環境だと、先生や生徒も、殺伐としてきます(笑)
自分の子どもを、しっかり丁寧に見てほしければ、
そういう環境のところを最初から選んでおく、ということが重要になります。
こちらの学校は、
入学した生徒たちの声にたくさん上がっている通り、
少人数の生徒に対して、先生が優しく笑顔で丁寧に、
和気あいあいな感じで指導されているのが印象的です。
ここを卒業した方が、先生になって母校に帰ってこられている、
という先生もけっこういらっしゃるようですよ。
見学の案内をされる先生が、授業中の若い先生を指して
「僕の教え子なんですよ〜♪」
と嬉しそうにおっしゃっていて、なんとも微笑ましく感じました。
部活や学校行事の活発さ
音楽部、ハンドベルクワイア、ミッションオーケストラ、軽音、などの音楽系の部活が多いことが特徴です。
軽音は、全国大会に出場しているとか。
音楽部(ミュージカル)は、オープンスクールで見せてくれるようですよ。
また、音楽に限らず、
放送研究部、短歌同好会、映画研究同好会、など、珍しいのもあります。
IBTFバトントワリング世界大会で1位になったりも。
そして、運動部も活発で、
サッカー、陸上、バレーボールは強化部。
運動部も、数々の成績を残しています。
サッカー女子の日本代表になるような選手も輩出していますし、
すごいですよね〜。
通常は、公立の中学生の場合は、
中3だと受験を控えて部活を引退して受験勉強に明け暮れますが、
「中3でも部活を続けられるのは、中高一貫の良さです!」
とも、おっしゃっていました。
昔は、
部活を熱心にやっていればスポーツ推薦で高校進学ができていて、
あまり学業の成績は考慮されないところも結構ありましたので、
中学ではとにかく部活に明け暮れて・・が通用していましたが、
今は、高校入試では、
たとえスポーツ推薦といえども、学業成績が良くないと切られる高校が多いです。
どこも、「文武両道」を要求されています。
そんな今の状況ですから、
中学受験をする子たちは、
中高一貫校は、このあたりでも特に強みになりますね。
また、学校行事のほうでは、
100年以上の伝統行事である「メインポールダンス」、
イースター・クリスマス礼拝、クリスマスツリー点灯式、女学院祭、
などなど、この学校特有の行事がたくさんあります。
校舎が新しく!
特に、ここを受けようとしている中3生は、超ラッキー!!
入学してすぐに新校舎〜♪
この学校卒業の著名人
先述の、サッカー日本女子代表の、猶本光選手、
私たち親世代はよく知る、広瀬香美さん、
今タイムリーで活躍している、家入レオさん、
フジテレビアナウンサーの井上清華さん、
その他、宝塚、声優、などで活躍されている方も。
進路実績と、進路の特徴
こういった私立の中高一貫校の、最大のメリットは、
なんといっても、有名私立大学への指定校推薦枠!
特にこの学校は、全員が希望しても余るほどの推薦枠があります。
自力では難しい難関大学も、指定校推薦枠でチャレンジ可能です。
私もこれまで、中高一貫校の生徒をたくさん受け持ってきましたが、
この子たちの場合、
早期から学習習慣があって、受験を通して身につけた基礎学力を土台として、
さらに、
入学後すぐから通常授業でコツコツ評定を稼ぐことで、
最終的に指定校推薦を取って有名私立大学に送り出す。
という形をとった子が、たくさんいます。
自力での一般受験だったら、おそらく無理だったであろう難関大学もたくさんあります。
福岡近郊では、県立のトップ校に行くことがステイタスとなっている節がありますが、
県立のトップ校に通っていて、親御さんが我が子を自慢されている、
そういうご家庭の子よりも、
福岡での評価や知名度はそんなに高くない、中高一貫校に通っている子のほうが、
結果的には、その先の大学で、上位大学に進学。
という現象が、たくさん起こっています。
で、その優位性をご存じのご家庭で、
たま〜に、
「中学受験して中高一貫に行っとけば、大学受験がラクだから・・」
と、
今度はそういう勘違いをされている親御さんがいらっしゃいますが、
当然、無条件でそういった指定校推薦が取れる訳ではありません。
条件がありますし、学内でも選考がありますから、
そこをクリアしたら。
入学後も真面目にコツコツ日々の努力を積み重ねて、評定を稼いでいたら。
の、話しです。
逆にいえば、ずーっと真面目にコツコツやっていれば、学力的に難しい大学も、
射程圏内に入ってきます。
とにかく、上位大学への指定校推薦は、
日々の真面目さが、ものをいう入試形態です。
こちらの学校は、
女子校なので、有名私立のお嬢様学校もたくさんありますし、
福岡の方に人気の、福大、西南も。
福大・西南よりも、学習院・関西学院・聖心・東女・同志社・・・
そっちにピクっと反応される方も多いかと思います(笑)
音大への指定校推薦枠も特徴的です。
音楽家を目指してだけでなく、音楽の先生を目指す子の音大への進学も。
また、
特進コースもありますので、
九州大学をはじめ、国公立大学進学者もいます。
プレゼン力を活かして総合型選抜での東北大学に合格した子も。
総合型選抜に活かせる学びの環境があるのも、こういった学校の特徴ですね。
また、
入学してから伸びる子も多いそうで、
音楽入試で合格した、中学入試当時算数47点だった子が、
九大工学部に合格したり、
入学時に最下位層だった子が、
看護大学、女子美、関西学院に合格したり、
英語を頑張って、西南に自力受験で合格したり、
そういったデータも見せていただけました。
系列大学としては、
同じ敷地内に福岡女学院大学もありますから、そのままそちらの大学に進む子も結構いますね。
また、古賀市に福岡女学院看護大学がありますし、
高校に看護・医療コースがあって、高大連携プログラムで、
大学の先生による授業も受けられて、
看護師に限らず、理学療法士、管理栄養士を目指しての、この大学への推薦入学も可能。
医療系大学への進学にも強いことも、大きな特徴です。
入試に関して
中学入試の特記事項
こちらの学校は、生徒ひとりひとりの個性や特技を重視されていることが特徴の学校です。
入試形態にも、その特徴が表れています。
1月入試では、国語と算数の教科試験は共通ですが、
それともう一つは、次から選択となっています。
総合問題、英語(英検4級レベル)、音楽実技(ピアノかバイオリン)、体育実技(体力テストと、サッカー、バレー、陸上からひとつ)
音楽実技や体育実技に関しては、あげられている種別以外でも、得意なものがあれば相談できます。
個人的に習い事などで取り組んでいるものがあれば、それをアピールしましょう!
総合問題は、大問3題。
SDGsの観点からの教育を行なっていることが特徴の学校らしい、テーマが出題されています。
こちらの学校では、受験前の段階から、よく面倒を見てくれます。
入試説明会でサンプル問題集をもらえたり、入試問題のヒントくれたり、
シャレンジテスト会も開催されます。
とにかく、
オープンスクール、説明会、チャレンジテスト会など、受験生のために入試までさまざまなフォローイベントがあるので、
それらに出席して準備しましょう。
直前になるから右往左往して慌てるんであって、
こういったものに頻繁に参加して、コツコツ準備していけば、大丈夫ですよ!
高校入試の特記事項
普通科のみ、後期一般入試が行われます。
後期は、これまでは、英・数・国の学科試験でしたが、
作文と面接に変更になります!
人物と個性を重視した入試形態になります。
入試説明会で詳しく説明されるそうです。
中学も、高校も、
訳あって、今の学校の出席日数が少ない、
けれど、勉強のほうは自宅でやってきた。
そういう子は、学校が変わるタイミングが大きなチャンスです!
こちらの学校は、理由によっては、出席日数の制限を排除して受験させてもらえる可能性大なので、遠慮せずに相談されるといいです。
オープンスクール・説明会・講習会
女子校というと、一般的な女子校のイメージを、
みなさんそれぞれ持たれていると思いますが、
よそ者の私も、
この学校の説明会に、実際に参加して、足を踏み入れるまでは、
ただの女子校と思っていました。
ですが、
入学した生徒たちも書いていますし、校長も言われるように、
この学校の空気感や雰囲気の良さ、
そして、
この学校の教育の質の高さは、
本当に、
中に入ってみないと分からない、
そういう学校です。
とにかく、
足を踏み入れて体験してナンボ、感じとってナンボです(笑)
私は、いつも「気」をとても重要視していて、
「気」が良くない、場、人、環境には、近寄らないようにしています。
この意味、わかる人にはわかると思います(笑)
毎年説明会に参加していますが、
今回も学校内を見学させてもらいながら、
相変わらずフワッとした明るい良い「気」が流れている学校だな〜
と、
この学校特有の良さを感じます。
あんな素敵なパイプオルガンのある講堂で、
毎日朝から讃美歌を歌って1日が始まれば、情緒も当然安定してくると思います。
そりゃ〜、生徒たち、
高校で外部生が入ってきても優しく迎え入れるわけだ。
みな仲がいいわけだ。
生徒たちが、屈折したり、尖る要素がない、と思います(笑)
直近では、10月7日がオープンスクールになっています。
とにかく、学内に足を踏み入れてみてください。
現在この学校を率いている重枝校長は、他の学校を立て直したり、活性化させたり、かなりのやり手の方です。
説明会などでは、この校長の講演もあるので、こちらも注目です。
まとめ
校内の廊下には、こういったのが貼ってあったりしますが、
生徒さんたちは、皆、
情緒が安定していて落ち着いている、印象を受けます。
荒くない、セカセカしてない、表情がキツくない。
教室移動している姿を見ても、
皆、朗らかな雰囲気です。
授業風景ひとつ取っても、
生徒も先生も、和気あいあい。
公立の中学までは、学校にはその地域のいろんなご家庭の子が来ますから、
自分では環境は選びにくいです。
ですから、どうかすると、
学校の環境が合わなかったり、友達や学校の先生とのトラブルが発生したりして、
学校に行けなくなってしまうような子も出てきます。
中学での不登校の場合は、
ご家庭での問題云々以外に、
たまたま、その学校の環境が、その子にとって良くなかった。
ということもあり得ます。
私から見て、
不登校問題で、あまり表に出てこないように見受けられますが、
地域性というのもありますから、
学校によっては、ちょっとよろしくない校風の学校も、あります。
〇〇小学校、〇〇中は、
〇〇な学校。
そういうラベルがつく学校もあります。
そのあたりをよくご存じの場合は、
良い小学・中学校区になることを目的として、
わざわざ引っ越しをされるご家庭もあるくらいです。
ご家庭内の問題やその子本人の特質に起因するものではなく、
たまたま、
その学校が特殊で合わなくて・・
とか、
元々粗雑な環境が得意ではない子が、荒々しい学校に身を置いてしまった。
そんな理由で、
人間関係トラブルを引き起こしたとか、
今の学校に行けなくなってしまった。
そういう子にとっては、
学校環境が変わることで、状況が一変することも多いです。
通常は出席日数の問題で入試で弾かれるような子も、
場合によっては、こちらでは受け入れられていますが、
その前では学校に行けなかったような子が、
ここに来てからは、楽しく通えるようになった子も、たくさんいるようですし、
入ってから伸びる子もたくさんいるようです。
この校風なら納得だなと思います。
繊細な子や敏感な子は、
一般大衆の環境は難しくても、
感性教育を行なっていたりするような、珍しいほうの環境には非常に適応したりします。
繊細さゆえに、芸術面で才能開花することも多いです。
こういった気質に関連して、その他にも、
・大人数な場、雑踏は苦手
・殺伐とした環境は苦手
・「気」の影響を受けやすい
・先生が優しくて手厚く対応してくれるところがいい
・穏やかな人間関係の環境がいい
・緑の多い環境がいい
・個性を尊重した教育がいい
・芸術教育、感性教育に惹かれる
・子どもには優しさといった人格面も磨いてほしい
などというような子やご家庭には、
候補の学校に上がるかもしれません。
逆に、
・男子がいないと無理
・美術や音楽には全く興味がない(見るのもやるのも苦痛でしかない)(中学の場合)
・競争に打ち勝つ、自分に打ち勝つ、勝ち負けを意識して周りと競い合いたい
などという子には、難しいかもしれません。
ここまで、個人的な見解も多く含まれていますが、参考にしてみてください。
みなさんの学校選びの何かヒントになると嬉しいです♡