福岡大学の附属高校のひとつ、福岡大学附属若葉高高等学校の、塾対象学校説明会に参加してきましたので、そのレポートです♪
こちらは、福岡市内にある学校で、都会の真ん中にある学校という感じです。
すぐお隣が幼稚園だったり、マンションだったり、先日参加した太宰府の筑陽学園とは、立地の環境がずいぶんと違っています。
都会が好きなタイプと、自然環境溢れる広々したとこが好きなタイプと、こういうところでも、合う合わないが分かれると思います。
こちらの学校の制服は、福岡の制服人気ランキングでは常に上位にいますし、建物も学園ドラマに出てきそうな雰囲気がありますよ♪
もともと女子校ですが、2010年から福岡大学の附属高校に、そして2019年からは共学になり、今年2021年で完全共学化が完成しています。
ここ数年で大きく変わっている学校です。
この学校が福岡大学の附属高校になった背景には、昨今の大学生が抱える問題があります。「高大一貫教育」を柱として、大学教育を見据えた高大接続教育に取り組んでいる学校です。ですので、通常の附属高校とは少し違います。
中高一貫校は、中高を大きく線引きしない6年間の一貫教育が特徴ですが、こちらの学校の場合は、高校と大学を大きく線引きしない、高大一貫教育を行っているような、そんな感じをイメージすると良いと思います。
昨年の説明会レポートでは、こちらの学校が高大一貫教育を始めた経緯、今の大学生の現状とその問題について書いています。
その内容は、私が常々感じている、大学を志す全ての中高生とその親御さん方に、声を大にして伝えたい、知ってほしい、目を向けてほしい内容です。
この高校を候補にしない学生さん達にも、大学進学の前に一度考えてほしい内容ですので、ぜひそちらも参考にしてください。
2020年 説明会レポート
https://ameblo.jp/kotosa-taro/entry-12624445978.html
目次
この学校の特記事項
他に類を見ない、高大一貫教育プログラムと福岡大学への推薦枠の多さ
こちらの学校では、福岡大学と連携した教育プログラムを実践することで、高校生の始めから、大学生になるための準備教育が行われます。
よくあるのが、あまりに適当な大学受験。受験受験時には学部や学科の内容をよくわからぬまま適当に願書を出して受験して、実際にその大学の学部・学科に行ってから、本人にとっては「え?なにこれ?」のミスマッチ。
日本の大学では本当に多いです。こういったことも防げます。
福岡大学の図書館も使えるそうです。
福大の中央図書館は、出来て間もない時に、大学の説明会の際に見学させてもらったんですが、5階建ての大きな建物、本はもちろん学習スペースも充実で驚きました。
福岡の高校生あるあるで、なかなか苦労する自己学習の場所探し問題。
高校のうちから、学校帰りにあの図書館の充実したスペースが使えるのは、それだけでも大きな価値があると思います。
今年度の高校3年生はかなりの大人数いますが、今年はその高3生に合わせて、福岡大学への附属推薦枠が163人→316人に増加されています。
この推薦枠の人数は、大学と連携して毎年状況に合わせて、これくらいあれば足りるだろうという数字を出すそうで、大学と密接に連携できているからこそですね。
もちろん、他大学の指定校推薦枠もあり、福大以外の大学に進学する子もいます。
令和4年度の募集人数増、前期でも取る!
男女共学化の一期生(現在の高3生)がとても多い状態でしたが、その高3生が卒業するにあたり、来年度は募集人数を400人→460人に増やすそうです。
ここ数年で専願入試での受験が定着している感じがありましたが、来年度は、専願と、前期での募集人数が同じになっています。
「前期でも取ります!」と、強調されていましたので、併願がしやすくなっています。
コース構成と特徴
スーパー特進コース
グローバルコース
高大一貫コース
入試情報
合格最低点の得点率の目安は次のようになっています。
専願、前期、後期、の順番に数字並べます。単位は%。()内はFスコア
・スーパー特進 71.1 64.3(64) 77.8
・グローバル 61.1 55.0(58) 72.2
・高大一貫 55.6 50.0(54) 61.1
「調査書内容などを総合して判定するので、得点率などはあくまでも目安です!」と強調されていました。
出題問題と難易度は、県立高校の入試問題に準じますので、特別な対策は特にしなくて良さそうです。
県立の中堅校あたりを狙う子達は、前期の併願が狙い目です。
女子が気になる制服
この学校の売りの1つが、制服ですね!
毎年、福岡の制服人気ランキングでトップ争いをしているようですよ。
私がたまたまテレビで見たときは、1位が博多女子(橋本環奈ちゃんの出身校)で、2位がこちらの学校でした。共学の制服としては1位ってことですね。
EAST BOYデザイン♪ 上着を脱いでも可愛いですね〜。
この制服が着たくてここに行きたい!っていう子も結構いるんじゃないでしょうか?
超ダサダサの制服と体操服で、中学も高校も過ごしてしまった私としては、こんな制服を着てみたかったです。こんなのだったら、修学旅行とか、どこ行くにも恥ずかしくないよね(笑)
私が思うこの学校の良さ、この学校に合いそうな子
こちらの高校を一言で表すと「高大一貫教育をやっている学校」でしょう。
「中高一貫教育」はよく聞きますが、「高大一貫教育」は珍しいですよね。
昔は大学は、本人がもっと学びたいという強い意志を持っていて、そういう人が行くところでした。
近年、大学への進学希望者は増えていますが、中には「よくわからんけど、皆が行くから自分も大学に行く」というような曖昧な動機で大学進学を志す子も多いです。
そういう子たちの中には、大学がどういうところであるのか、その大学の学部・学科で何を学ぶのか、よく考えずに受験してしまう子もいます。
その結果、いざ大学の授業が始まってから、やる気がない、授業に出れない、課題を出せない、など、つまずく子が出てきます。
当然ながら、高校と大学ではやることが全く違いますし、大学での課題そのものでつまずく子も多いです。
高校では答えのあることを扱うことが多いですが、大学では「自分で問いを立ててる」「課題の解決策を自分で考える」「自分の考えを論理的に説明する」といったことに変わりますので、当然課題内容が変わります。
高校まではほとんどやらなかったレポート課題が増えるのもそのためです。自分で考えるということができないと、課題もこなせません。
こちらの高校での「高大一貫教育プログラム」は、こういった大学生たちが増えていることを背景にして、通常の大学受験のための学びだけではなく、大学教育に必要な学修基盤を身につけさせることを目的としています。
1年次からの課題研究も、その特徴の1つです。
とりあえず大学には行きたいけれど、大学に行くってどういうことなんだろう?大学は高校とはどう違うの?大学ではどんなことを学ぶの?ということが分かっていない子(親御さん)、
大学生になるための準備を万端にして大学に進学したい、大学にスムーズに移行できるようにしたい、という子に、打ってつけのところだと思います。
さらに、地元志向で、将来は福大に行きたい、福大がいい!と思っている子にも、最適です。
私も、昔から福大受験生も受け持っていますが、福大は難化し続けていて、近年は一般入試での合格率は20%、公募推薦でも35%と、「なかなか通らない」大学になっています。
学部併願で、幾つもの学部に重複合格を勝ち取る子がいる一方で、1つも引っかからない子がいるのが実情です。
福大の人気ぶりや、福岡の街全体としての勢いを見ていて、今後も難化することはあっても、入りやすくなるなんてことは無いんじゃないかなと思っています。
こちらの学校は、延べ人数ではなく、実人数として福大の合格者数を公表しておられますし、高校生活を真面目に過ごしていれば、福大への切符はほぼ確実にいただけそうですよ。
オープンスクール
説明会の日には、オープンスクールの申し込み受付はすでに終わっていました。
今後は、11月20日に、保護者対象の学校説明会(最終)が行われる予定で、こちらはまだ申し込み受付期間前です。
まとめ
学生とそのご家庭にとっての最も大きなイベントごとが「受験」ですよね。これまで多くの教育機関が「受験突破」を掲げて、受験のための教育を行ってきました。現在でも多くのところでそれを続けています。
私がプロ家庭教師として、受験突破をゴールにはしていない理由の1つが、上にも書いたような、学生たちの実情をたくさん見聞きしてきたからです。
会社に属している時に、大学生になったけれど授業についていけないとか、レポートが書けないとか、そういう理由で家庭教師の依頼が来ていました。
また、大学に無事に合格していざ大学生になったはいいものの、やる気が全くない、自己管理ができなくて留年しそうな子(または実際に留年や中退)の話しなどもたくさん聞きました。
そういう実情を知れば知るほど「これではいけない!」となるわけです。
家庭教師なので、私のところに来る子たちは「今の自分を変えたい」「進学をしたい。先に進みたい」という思いがありますから、必ず受験を経験します。
私が大切にしているのは、合否以上に、その過程です。
一般的には、第一志望に合格したら◯、合格しなかったら✖️といった判断をしがちですし、それを煽っているところもたくさんあります。
なんか、最近また中学受験をテーマにした受験戦争ドラマが始まりましたね〜。
受験までは一喜一憂、右往左往されていた親御さんたちも、受験が終わったら嘘のように安心しきってしまって、その後に意識を向ける方は少数派です。
本当の勝負は、受験のそのもっと先ですよね?
少しでもいい学校に行けば将来が明るいような印象を皆さん持たれますが、実際は、「行った先でどう過ごすか」次第です。これを忘れてはいけません!
私は、大学受験生を多く受け持ちますが、受け持った生徒たちには、勉強以外に、コーチングという形で、大学生になるための準備を早い段階でしていきます。
「自分が大学に行きたいのはなぜ?」「大学でどういうことを学びたいのか?」「将来にどう活かすのか?」などを明確にしていき、それを踏まえたうえで大学のオープンキャンパスに行ってもらいます。オープンキャンパスに行った後も、その振り返りと考察をしてもらいます。
希望する生徒には、大学受験終了後も、大学生としての学びの練習などをします。
こういったことをやったうえで大学に進学すると、入学時の本人の意識はとても高くなっているので、あとは私の手を離れても、自己管理をしながら自分でどんどん積極的&主体的に動いていきます。
生徒によっては、私もビックリな結果を出して報告してきます。偏差値的にもっといい大学に行った子らよりも、成果をあげたりもします。
こんな感じで、私は自分の身をもって、先を見据えた教育の大切さを実感していますので、こちらの学校で行われている高大一貫教育の具体的な細かい内容は分かりませんが、こういった教育のあり方に価値を感じています。
今の日本の大学の現状や課題を知っておいたうえで、「じゃあ自分はどうするか?」「親としてどこに目を向けるべきか?」を考えていくと、これから先をもっと有意義に考えられるかと思いますので、ぜひ参考にしてくださいね。
若葉高校の説明会レポート、いかがでしたか?
皆さんにぴったりの学校選びの何か参考になれば幸いです♪