目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけた社会人になるための、総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です♪

今回は、筑紫野市にあります
福岡常葉高等学校
の、学校説明会レポートです。

こちらは、私は今回初めての参加なので、楽しみにしていました♪

筑紫野でも特に南寄りなので、久留米・小郡、甘木、佐賀県の鳥栖・基山、あたりから通う子も結構いるようです。

学校全体としての特徴、受け入れ態勢

昭和40年の女子商業高校から始まり、昭和47年に現在地に移転。校名を変え、科やコースを変更・新設、共学化、と、長い年月の間にいろいろと変わってきた学校です。
学校自体の歴史があるので、建物はそんなに新しくはないです。

現在は、「一人ひとりを大切に」「いじめを絶対に許さない」がモットーで、
「とにかく上の大学進学を目指せ!」というよりも、生徒の個性を大切にされています。
「どの生徒も、その子が願う進路に全力を尽くす」とおっしゃっていました。

そのため、他校のような超難関大を目指す、スーパー特進はあえて作らず、中規模校の立ち位置。入試も含めて「人間性重視」という言葉を繰り返されていました。


進学コースの進学クラス以下では、中学で欠席が多かったような子や、特別支援学級にいたような子など、高校進学に少々悩みを抱えるような子も、応相談の姿勢です。
勉強できない子には、課外でフォロー。これは、「学校に来させる」機会を提供するという意味合いもあります。

こういうと、ちょっとヤンチャ系(最近では本当に見かけなくなりましたね〜)の子たちが来るイメージも持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
「仮にそういう子が入っても、学内では浮いてしまって、来れなってしまう」とのこと。ベースは真面目な子たちばかりのようです。

入試の際には、面接をとても重視されています。

一方で、この学校の卒業生には、九大理学部を卒業して、教員としてこの学校に帰ってきた、という方もいらっしゃいます。
特進コースには、筑紫中央あたりを目指していて、私立の特徴である特待生制度でこの学校を選んだ生徒達もいて、上位大学を目指すような子もいます。

特待生制度が充実、なおかつ3年間少人数クラスで手厚く面倒見てもらえる、というようなことが、私立高校の特進クラスのメリットですよね。

 

学科とコース

普通科:特進コース、進学コース(準特進、進学)
情報処理科

と、2学科・3つのコースがあります。

普通科 特進コース(1組)

1組:30〜35名くらいのクラス。
一般受験で上位大学を目指すコースです。

特待生制度、少人数というところを重視して、県立上位校ではなく、あえてここを選択している子も入っています。

学校によってはスーパー特進や特進では、学業に専念させるために部活ができない、というところがありますが、この学校は全コースで部活ができます♪
ただし、他のコースよりは終業時間が遅いので部活に参加できる時間が少し遅くなります。

普通科 進学コース(準特進・進学)

進学コースで140〜170名くらい。


準特進クラス(2組)

国立大学進学可能。
準特進になると、指定校推薦・公募推薦の選択肢が出てきます。
指定校推薦での福大・西南などの4年生大学への進学を狙って、特進にギリギリで入っておくよりは、あえて準特進を選ぶという子も。

こちらの学校では、特進と進学コースの定期試験問題は同じ問題だそうです。
ということは、特進クラスの方が平均点は高いはずですから、評定を考えたら・・、ですよね?(笑)


福岡では私立大学は、福岡大学、西南大学がとても人気がありますが、
県下トップの進学高校からの一般入試でも、中堅高校からの指定校推薦でも、行けば同じ大学の大学生になります。

私立と県立高校の学費が変わらない、もしくは特待生になれば私立のほうが安い、しかも少人数で手厚い授業が受けられる、ということも起きている今の学校事情。

福岡に昔からお住まいのご家庭は、根強い県立ブランド志向がまだまだ残ってるようですし、塾からも、学力によっては県立有名校を進められる傾向がまだあります。

ですが、先を見るご家庭、あるいは他県からの移住組は、ブランドではなく戦略的に学校選択をされる傾向も強まっています。このあたりも参考にしてください。

進学クラス(3・4・5・6組)

基礎基本からゆっくり丁寧に
このクラスからは、「成績よりも人間性」というところで、勉強が苦手という子もいるようになるようです。
とにかく学校に来させて課外で丁寧にフォローする、ということもされています。

中学時代に、「学校に行きたくな〜い」という傾向だった子が、こちらに来始めてから「学校が楽しい」と言うようになって、学校を休まなくなったとか、そんな子もいるようです。

進学を目指しつつも、生徒たちに「行ってよかったな」と思ってもらえるような学校作りに努めているとのことでした。

 

特進、準特進、進学間では、学年が上がる際にはコース変更あり
進学校あるあるの、学力で変えさせられる、というよりも、「できるよ」という感覚で捉えてもらうといいです。

例えば、特進レベルなんだけど、若干不登校気味の子でちょっと少人数はキツいとか、そういった子が学年が変わる時にコースを変えるとか、そういった事も出来るそうです。生徒の事情に合わせての配慮といったこともされています。

普通科 エステティックコース(7組)

30〜35人くらいのクラス。

え〜〜っ、エステ?!
って、びっくりしたんですが、普通科の中にエステティックコースがありました!
創立者が女性で、女子校の名残りからかな?なんて思いますが。

女性の社会進出が目覚ましい現在。自ら稼ぐ女性が増えていますし、「女性の美しさ」に関する話題も増えています。

個人的には全くと言っていいほど縁遠い世界ですが(笑)、これから美の追求をする女性たちは、ますます増えてくるのかもしれませんね。

実習服がとっても素敵ですよね。
ヘア以外の美容全般に関すること、メイクやネイルなども学べます。

在学中に美容系の認定証など取っておいて、その先美容系の専門学校等に進学する際に、学費を安くしたりも。

将来は美容系に進もうと、固く決心がついている子にはいいかもしれませんね。


ただ、ここでちょっと注意点。
あくまでも、普通高校の普通科の中の、コースです。

パンフレットのカリキュラムを見るとわかりますが、授業の多くは美容以外の通常授業です。実習服を着ての実習は週に1日(金曜日)だけとのこと。
美容学校ではないので、そこを勘違いしていると、入ってから「あれ??」となってしまいます。

専門高校ではないので、「高校の通常の勉強がベースで、美容系も学べるよ」ということです。そこは注意しましょう。

情報処理科(8・9・10組) 福大商学部との高大連携協定!

120〜140人くらい。結構いますよね。

元商業高校だった強みを活かされているのではないかと思います。
3クラスありますが、1クラスは特別進学クラスを設置。商業教育を強化しています。
1年次から、週に12時間の専門科目の勉強があります。
当然、ITパスポートなど、高校の段階で資格をたくさん取得できます。

で、この情報処理科で特記すべきは、
2021年の、福岡大学商学部との、高大連携協定です!
福岡大学のホームページにも載っています。
https://www.fukuoka-u.ac.jp/fukudaism/education/21/12/17085.html

他に、商業高校の協定校は7校ありますが、私立はここだけです。

これにより、今後はますます福岡大学との結びつきが強くなりますから、福大商学部への進学する生徒が増えるはずです(具体的に何名くらいかはわかりませんが)。そのための、上位クラス制度です。


福岡の方々で、福大進学への有利性に魅力を感じる人は多いですから、今後はますます人気が出ることが予想されます。
受験者数次第では、1クラス増やす可能性もあるとのことですが、状況次第で進学コースへの転科合格を出す事もあるようです。

情報処理の分野に進みたい、福大商学部への進学を希望している、というような子は、一般入試ではなく専願入試が良さそうですよ。

制服

制服はこんな感じです。
特徴的なのは、やはり普通科エステコースの実習服!本格的ですよね〜!

特待生制度の充実

私立の強み。特待生制度が充実しています。新たに新設されるものもあるようです。

入試に関して

令和5年度からは、全科、全コース、全入試日程で、
国・数・英の3教科+面接 による試験です。
面接をかなり重要視されています。成績よりも人間性重視!だそうです。


進学クラス以下の専願では、点数はあまり拘らず、それよりも学校を休まない子が欲しいとのことです。
中学まで勉強が超〜苦手で試験で点数は取れそうにないんだけど、高校から頑張りたいな、なんていう子は応相談です。

いじめを許さない安心した学校づくり、を方針とされていること、また人間性を重視されていて、面接では、生活態度や服装等を厳しく採点するそうです。面接次第では、専願でも落とされることアリです。


こういった、点数は重視しないよ、という、一見受け皿の広い学校は、「名前を書けば通る」なんて思われがちなんですが、それはもう何10年も昔、私たちの昭和時代の話しです(笑)
名前書いても通らない現場を、私はたくさん知っています。
安易に考えたらいけませんよ〜。

特に私立は、学校のイメージを大切にします。

試験は出来て点数的には問題なかったのに、不合格をもらうパターン、これ、結構あるんですよ〜。


当日だけ髪を黒染めして誤魔化してる、ピアスの跡を隠してる、面接態度が良くない、等、本人はうまく隠しているつもりでも、先方にはバレます。
最近では、こんなヤンチャ系はホント見かけなくなりましたが・・。

これは、例えば、宿題を真面目にやったふりしてても、私がノートを見たら、自分でやったのかどうか一瞬でわかるのよね〜笑笑。
そういうのと同じです。


主に、特進、準特進に関しては、10月、11月のフクト模試の点数に換算して、合格の目安など、大変細かく説明してくださいました。

不登校などの事情を抱えているご家庭は、10月、11月のフクトの結果を携えて、この時期の保護者ナイト説明会に行かれて、見せながら相談されるといいです。
不登校などで学校の授業が受けられていない、フクトで成績取れないと分かっていても、それでいいんです。
高校側に誠意を見せるという意味でも、この時期のフクトはなんとか受けておくことをお勧めします。

中学ではうまく行かなかったけれど、高校からはなんとか再起したいという姿勢でいれば、こういった、受け入れてくれる学校が出てきます。
そうやって、高校から軌道修正は可能ですよ!

点数は足りないけど、真面目な子だな、という子は、完全に不合格にはしたくないから、転科合格という形を取りたい、ともおっしゃっています。

 

オープンスクール・保護者ナイト説明会

オープンスクールでは、様々な講座体験を受けられます。
そして、夜間には、保護者ナイト説明会も行われます。
事情を抱えているご家庭も、このような時に、相談してみられると良いです。

感想とまとめ

こちらの高校の説明会は、今回初めて参加させていただきました♪
少しでも良い大学への進学者を輩出したくて、◯◯大学◯名合格!を大きく掲げる、普通高校、進学校が多い中、
こちらの高校は、とにかく「成績よりも人間性重視」を連呼されているのが印象的でした。

勉強が苦手な子、欠席がちな子、特別支援学級に通っている子、など、相談に応じると説明会で堂々と言われていて、事情を抱える子たちにとっては救いの学校になるのかな〜なんて思いました。

かといって、成績優秀な子がいないわけではなく、幅広く受け入れられている学校の印象です。

校内見学はできませんでしたので、学生さんたちの実際の雰囲気は見れていないですし、地域の方々のこの高校の印象も知りませんので、説明会だけ、そして先生方を拝見しての、率直な感想です。

あ、あと、建物は、年季が入っています。ここも、生徒によっては意見が分かれるところです。


私はこれまでにプロの家庭教師として、これまでいろんなタイプの子を受け持ってきました。
プロという特性上、真ん中があまりいなくて、受け持つ生徒のタイプは超ハイレベルか、その逆か、極端なことが多いです。

超難関大学を目指すような超ハイレベルな子がいます。こういう子は、周りからもは一目置かれますし、学校や塾の期待の星。近所でも「◯◯さんちの子供さんは頭がいい!」なんて噂になって、どうかすると、親御さんも鼻高々〜(笑)

学校も、そういう子が通う、ハイレベルな学校が注目されがちです。

その一方で、めちゃくちゃ素直で人間的には超超〜いい子なのに、頑張っても頑張っても、勉強がなかなかできるようにならない、という子もいます。
そういう子って、人並み以上に思いやりに溢れていたり、勉強以外の部分で、私が感心したり、見習うところがたくさんあるんですよ!

ですが、中学・高校時代は、「勉強ができるかどうか」が、本人のアイデンティティにまで大きく影響します。
大人になっても「私は頭が悪かったから」と、学力・学歴コンプレックスを抱えている方もいらっしゃいます。
これは、学生に、「(学校でやる)勉強が何より大事なんだ」って、そんなふうにけしかけてしまっている大人にも責任があると、私は思っています。


どうかすると、学校で「バカ」というレッテルが貼られて、自分自身でもそういうイメージを持って、自信を無くしたり、「自分に行ける高校なんかあるんだろうか?」と、先の不安を抱えていたりします。
そうなると、本来その子が持っている良さが隠れてしまいます。

そして最近では、中学で不登校になっている子も増えています。

あえて、そういう子たちも受け入れてもいいよ、個性を大事にして、その子に合った将来に進むお手伝いをするよ、って、自ら言ってくださる学校があるのは、貴重です。

これこそ、多様性の時代に沿ってると思います。

勉強は苦手なんだけど、普通高校に行きたい。中学では欠席気味だったけど、高校からなんとか立て直したいな、と思っている子たちには特に、一度オープンスクールに足を運んでみるといいんじゃないかなと思います。

みなさんの学校選びの参考になれば幸いです♡