目標地点は受験突破のその先、
「自分で自分の人生を切り拓き、自ら幸せになれる力」を身につけ、
「幸せに働ける社会人」になるための、

総合的な教育支援を行っています、
プロ家庭教師/教育コンサルタントの三宮です。

 

大学受験を終えた皆さん、大学合格おめでとうございます!
これからは新たなステージ、大学生活が始まりますね。

しかし、大学と高校では学び方や生活環境が大きく異なります。


先日、生徒に大学入学準備レッスンを行いました。

通常は、受験が終わればさようなら~となるところですが、
私の場合は、大学入学をひかえる生徒たちには、大学準備のレッスンを行なっています。

珍しいですよね。
けれど、準備をしっかりと整えることが、スムーズな大学生活を送るための第一歩です。


今回のブログでは、大学生になる準備について、ここでは高校までと大学の違いをベースとしてお伝えしていきます。

春から大学生になるという子やその親御さんは、ぜひ参考にしてください。

 

 

日本の大学の実態 ~留年や退学の多さ~

文部科学省の学校基本調査によれば、4年制大学を4年で卒業するのは、入学者のおおよそ8割弱
残りの約2割の全てが5年目に突入するわけではありません。

4年間で約1割の学生が退学しているというデータもあります。

留年も含めてとにかく卒業までこぎつける学生は、入学者のおおよそ9割です。

こういった現状は、名前を書いて通るようなFラン大学だからではなく、難関国公立大学でも事情は変わらないようです。

最近では、こういった話を耳にする機会も増えてきましたので、大学受験を終えた生徒の親御さんが
「とにかく辞めずに卒業まで行ってくれれば・・」
なんて発言をされるのを聞くこともあります。

 

 

大学で苦しむ学生たち

大学でうまくいかなくなってしまう学生たちは、
「この大学が自分に合っていない」というミスマッチが原因ということでもない現状があります。

そもそも、高校までと大学は、学び方や提出課題ががらりと変わりますが、
高校までの感覚のまま、何も心構えを持たずに大学に入学してしまい、大学での学習環境に適応できずに右往左往してしまう子がいます。


私は大学生のコーチングもやっていますが、大学に入って躓いてしまった子の親御さんから、ご相談を受けることが少なくありません。

また、友人が現在大学で教鞭を取っていますが、その友人から聞く大学生たちの実態もあります(後ほど触れます)。

こういった背景があって、大学受験を終えた子への大学準備レッスンや、大学生へのコーチングを行なっています。
日本の大学生には、このような現状が、少なからず存在していることを、まずは知っておいてください。

せっかく受験を頑張って合格を勝ち取った大学です。大学に入ってから、そんな状況に陥るなんて嫌ですよね。


私から言わせると、
「高校の感覚のままで大学に入学してしまった」
そこに大きな要因があります。

周囲の大人にも責任があるかもしれませんが、大学受験が終わった子たちの、
大学生になるための準備
を怠りすぎです。


なんでも初めが肝心です。
大学受験が終わって、大学に入学するまでの期間に、できる準備をして、大学生としての心構えを作っておく。
これだけで、大学生活をスムーズに始められるようになりますよ。

ここで、高校と大学で何が違うのかを知りましょう。

 

 

高校と大学での違い

学び方の違い

高校までは、主に「答えがある」ものを扱ってきましたね。
問いがあって、その答えがあって、正解か不正解かはっきりします。
先生から教わることを知識としてどんどん頭に叩き込む。そういった授業が多かったと思います。

教育改革が行われているとはいえ、高校までの授業はいまだこういった授業スタイルがメインです。

大学では、「答えがない」ものを扱っていきます。
「問いを自分で立てる」ということをやっていきます。

物事に疑問を持ち、論理的に考え、根拠を持って自分の考えを述べる

これを行います。


ですから、ディスカッションやグループワークが頻繁になります。
思考力が大切になってきます。
自ら考え、積極的に参加する姿勢が求められます。


また、授業外での自己管理も大切です。
高校生活では時間割が厳しく決められていましたが、大学では自分でスケジュールを管理する必要があります。

さらに、大学では自己学習の比重が高まります。
授業だけでなく、図書館やインターネットなどで自発的に学ぶことが求められます。


高校までと違って、逐一お世話をしてくれる担任の先生はいませんから、自己管理能力が重要です。

 

課題の違い 〜作文と大きく異なるレポート作成〜

先ほどの「物事に疑問を持ち、論理的に考え、根拠を持って自分の考えを述べる」に関連して出される課題のメインとなるのが「レポート」です。

レポートは、学生本人が考えたテーマについて調査し、まとめるものです。
その際には、レポートの形式や構成、資料の収集と批評、そしてアカデミックな表現や引用方法などを理解しておく必要があります。
しっかりとしたレポートを作成するためには、事前の計画やリサーチも欠かせません。

作文は、思うがままに心情を述べれば良いですが、レポートは、調べたりして得た根拠をもとに自分の主張を述べるなど、レポートは作文とは随分と違います。

その違いをしっかりと理解したうえで、レポートの書き方の基本を、今のうちに学んでおきましょう。
レポートの書き方に関する本がたくさんありますので、それらを読んでおくのもオススメです。

 

 

大学についていくための姿勢作り

国立大学で教鞭を取っている友人が大学生の現状をこう話していました。

「たくさん勉強してきているのに、それを自分で考えて、自分で決めてやってきてないから、挫折する子が多い」
とのこと。


残念ながら出てきてしまう中退者は、
先生の言うことをよく聞いて、指示通りに真面目に勉強をしてきた子、そんな、意外にも有名進学校の子に多いそうです。

高校までの学び方の課題もたくさんありますが、
「自分で考えて自ら動く」
この姿勢が作られていない子は、今のうちに姿勢を変えておく必要があります。

 

大学準備レッスンを受けた教え子が、大学のオリエンテーションにいった際に、周囲の同級生たちを見て
「ぼんやりしている人も多くて『大丈夫?』なんて思ってしまいました。私は大学生になる準備が出来てて良かったです!」
と、感想を述べていました。

当然この子は、大学入学後も順調に進んでいきましたが、事前に、積極的な学びの姿勢を身につける側に回るのか、そうでないのかで、入学後が大きく違います。

 

高校までの自分はどうだったかな?
自ら考えて、自分で決めた行動をしていたかな?
先生や親から言われた通りにだけ動いていなかったかな?

一旦これまでの自分の学習姿勢を振り返ってみてください。

まずは気づくところからです。意識ひとつで随分と違います。

そして、可能なところは矯正しておきましょう。

 

 

まとめ 〜大学入学の準備をしよう〜

ここまで読んでみていかがでしょうか?
自分自身、親御さんはお子さんの現状について、何か気づくことはありましたか?

受験後の2~3月のこの時期に適切な準備をしておくことで、大学での学び方や生活環境の変化に、上手に適応していくことができます。

大学生のつまずきの現状を知る私は、どうかすると、大学受験以上に大学準備のほうが需要、とさえ思っています。


レポートの書き方についてだけでなく、大学の学びの姿勢を作るための本も色々出ています。自分が読みやすそうだなと思うものを手に取ってみて、読んでおくだけでも随分と違いますよ~。

 

そして、大学は、自己成長の場でもあります。
高校までとは違って、いろんなところから学生たちが集まっていて、出会いの幅も広がります。
刺激的な面白い、楽しいこともたくさんあります。

 

大学に進学した私の教え子たちをみていると、楽しそうなだけでなく、高校までではできなかった、大学でまざまな経験をすることで、人間的にもグッと成長しています。
見ていてこちらも本当に嬉しくなります。

 

春から大学生となる皆さんには、そんな素敵な大学生活を満喫してほしいな~と思っています。

自己成長と学びの旅への準備を整え、新たな挑戦に臨む皆さんの素晴らしい大学生活を応援しています!